高齢者が「郊外の戸建」から「都市部のマンション」へ住み替えした際によくあるトラブル7選

高齢者が「郊外の戸建」から「都市部のマンション」へ住み替えした際によくあるトラブル7選

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

近年、子どもが独立し夫婦だけになった高齢者や、一人暮らしの高齢者が「車がなくても生活できる」「病院や買い物が便利」という理由で、郊外の戸建住宅から都市部のマンションへ住み替えるケースが増えています。

しかし、実際には住み替え後に「思っていた生活と違った」と後悔する人も少なくありません。

① 思った以上に生活費が上がる

最も多いトラブルの1つです。

戸建住宅では固定資産税程度だった住居費が、マンションでは毎月継続して発生します。

増える費用

・管理費

・修繕積立金

・駐車場代

・駐輪場代

・都市部特有の物価上昇

・固定資産税

 

例えば、戸建時代は月1万円程度の負担が、

マンション購入後には管理費・修繕積立金などで月3~5万円となることがあります。

特に修繕積立金はインフレの影響もあり、将来的に値上がりする可能性があります。

② 近所付き合いがなくなり孤独になる

意外と多い問題です。

住み慣れた自宅では、

・自治会

・ご近所付き合い

・趣味の仲間

などのコミュニティがあります。

一方、都市部マンションでは「隣に誰が住んでいるかわからない」という環境も少なくありません。

結果

・ご近所との交流がなく、会話が減る

・外出の機会が減る

・孤独感が強くなる

特に配偶者を亡くした後は深刻化しやすい傾向があります。

③ 生活空間が狭くなりストレスになる

戸建住宅からマンションへ移ると、多くの場合は居住スペースが小さくなります。

よくある不満

・趣味の部屋がなくなった

・収納が足りない

・家具が置けない

・来客を呼びにくい

住み替え前は「広い家はもう不要」

と思っていても、実際に暮らし始めると窮屈さを感じるケースがあります。

④ 騒音トラブル

戸建住宅では気にならなかった生活音が問題になることがあります。

・上階の足音

・エレベーター付近の騒音

・子どもの走り回る音

・ペットの鳴き声

高齢になるほど在宅時間が長くなるため、騒音ストレスを感じやすくなります。

⑤ 車を手放して後悔する

住み替えと同時に車を処分するケースは非常に多いです。

しかし、

想定外の問題

・趣味活動の場所へ行きにくい

・郊外の友人に会いづらい

・荷物が運べない

・行動範囲が狭くなる

電車など公共交通機関は便利で「運転はしなくて済むけど自由も失った」と感じる人もいます。

⑥ 自宅売却価格が想定より安い

住み替え資金を確保するために郊外の戸建を売却しても、

よくあるケース

・買い手が見つからない

・査定額より安く売却

・売却まで1年以上かかる

特に人口減少地域では「2,000万円で売れると思っていた家が1,000万円以下だった」

ということもあります。

結果として老後資金計画が狂う場合があります。

⑦マンションが終の棲家にならない

購入時は

「ここで最期まで暮らす」

と思っていても、

・要介護状態になる

・認知症になる

・医療依存度が高くなる

と、介護施設への転居が必要になることがあります。

よくある誤解

都市部マンションは便利で「バリアフリーだから安心」と思っていても、実際には「24時間体制で介護は対応できない」ため、

住み続けることが難しくなります。

そのため、せっかく住み替えたのに次は高齢者施設への住み替えが必要になることもあります。

最も多い後悔は「便利だけど幸せではない」

都市部マンションへの住み替えは、

・病院が近い

・買い物が便利

・移動が楽

という大きなメリットがあります。

しかし実際には、「便利さは手に入ったが、人とのつながりや生きがいを失った」

という後悔が少なくありません。

高齢者の住み替えでは、住宅の性能や立地だけでなく、

・誰と交流するのか

・趣味を続けられるか

・子どもとの距離はどうか

・将来介護が必要になったらどうするか

まで含めて考えることが重要です。

住み替えの成功は「便利な家を選ぶこと」ではなく、「その後も自分らしい生活を続けられる環境を選ぶこと」にあります。

2026/6/6