保険の役割とは?学生が知っておきたい公的保険と民間保険の違い

保険の役割とは?学生が知っておきたい公的保険と民間保険の違い

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

「生命保険って本当に必要?」「公的保険があるなら民間保険はいらないのでは?」

こうした疑問を持つ方は少なくありません。
特に若い世代や子育て世代にとって、毎月の保険料は大きな固定費になります。

しかし、生命保険の役割を正しく理解すれば、自分に必要な保障が見えてきます。

本記事では「生命保険の役割」と「公的保険と民間保険の違い」についてわかりやすく解説します。


生命保険の役割とは何か?

生命保険の最大の役割は「万が一のときに家族の生活を守ること」です。

人は誰しも病気や事故、死亡のリスクを抱えています。
そのリスクが現実になったとき、収入が止まれば生活は一気に不安定になります。

生命保険は、

・遺された家族の生活費を確保する

・子どもの教育資金を守る

・住宅ローン返済を支える

・医療費の自己負担を軽減する

といった「経済的なリスクヘッジ」の役割を担っています。

つまり生命保険は「お金を増やす商品」ではなく、「生活を守る商品」なのです。


公的保険とは?日本は保険大国

日本は世界的に見ても公的保障が手厚い国です。
その中心にあるのが以下の制度です。

① 健康保険制度

病気やケガをした場合、医療費の自己負担は原則3割です。
さらに「高額療養費制度」により、一定額を超えた医療費は払い戻されます。

② 公的年金制度

万が一亡くなった場合、遺族には「遺族年金」が支給されます。
また、障害状態になった場合には「障害年金」もあります。

③ 労災保険・雇用保険

仕事中の事故や失業時の保障も整備されています。

このように、日本はすでに「公的保険」という大きな土台があるのです。


民間保険の役割とは?

では公的保険があるのに、なぜ民間の生命保険が必要なのでしょうか。

答えはシンプルです。

公的保険だけでは足りない部分を補うのが民間保険の役割だからです。

たとえば、

・遺族年金だけでは生活費が不足するケース

・自営業者で遺族保障が薄い場合

・先進医療や差額ベッド代

・働けなくなった場合の収入減少

こうした「不足部分」を補うために、民間の生命保険があります。

つまり、

公的保険=基礎保障
民間保険=上乗せ保障

というイメージです。


公的保険と民間保険の違い

項目 公的保険 民間保険
運営主体 保険会社
加入 原則強制 任意
保険料 所得に応じる 契約内容による
保障内容 最低限の生活保障 自由に設計可能
目的 国民の生活安定 個人のリスク対策

公的保険は「社会全体を守る制度」、
民間保険は「個人ごとの最適化ツール」と言えるでしょう。


生命保険が特に重要な人

生命保険の必要性は人によって異なります。

特に重要なのは、

・扶養家族がいる人

・住宅ローンがある人

・自営業・フリーランス

・貯蓄が十分でない人

一方で、

・独身で貯蓄が十分ある

・実家暮らしで扶養義務がない

という場合は、必要保障額は小さくなります。

大切なのは「なんとなく加入する」ことではなく、
自分の家計と公的保障を理解したうえで設計することです。


生命保険の本質は「確率のマネジメント」

生命保険の本質は「起きる確率は低いが、起きたら困ること」に備える仕組みです。

火災保険と同じように、
「起きないかもしれないが、起きたら致命的な損失」に備えるのが保険です。

だからこそ、

・貯蓄で対応できる部分は保険不要

・貯蓄で対応できない大きなリスクだけ保険でカバー

という考え方が合理的です。


【まとめ】生命保険は「守り」の戦略

生命保険の役割は「家族の生活を守ること」。

そして、日本には公的保険という強力な基盤があります。

重要なのは、

①まず公的保険を理解する

②不足部分を把握する

③必要な分だけ民間保険で補う

という順番です。

保険は「入ること」が目的ではありません。
「入らなくてもいい状態」を目指すことこそ理想です。

しかし、まだ資産が十分でない現役世代にとって、
生命保険は家族を守る大切な金融ツールの一つです。

感情ではなく、数字で判断する。
それが賢い保険との向き合い方と言えるでしょう。

2026/2/21