株式投資において政治・政策が株式市場(相場)に与える影響2026年版

株式投資において政治・政策が株式市場(相場)に与える影響2026年版

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

政治は株式市場に対して「直接」「間接」の両面で大きな影響を与えます。

特に政策変更・政権交代・地政学リスク・規制強化/緩和は、短期的な株価変動から中長期のテーマ株形成まで、投資機会とリスクを左右します。

このコラムでは2026年に知っておきたい株式投資に関連する政策について解説します。

 

  1. 政策(政策金利・財政政策・税制)の影響

 

■ 金融政策(特に日本は日銀)

  • 金融緩和 → 株高要因
    • 金利が下がると企業の借入コストが低下
    • 投資マネーが株式市場へ流入しやすい
  • 金融引き締め → 株安要因
    • 金利上昇でPER圧縮・借入負担増
  • 日本の場合、長年の超低金利が「不動産・銀行・ハイテク株」へ異なる方向で影響を与える。

 

■ 財政政策(補助金・公共投資)

  • 公共投資増加 → 建設・インフラ関連に追い風
  • 補助金・支援政策 → セクター別に恩恵
    • 例)脱炭素 → 再エネ、蓄電池、EV
    • 半導体支援 → 製造装置・材料

 

■ 税制変更(法人税・資本 Gains 税)

  • 法人税減税 → 企業収益改善で株高
  • 金融所得課税引き上げ → 投資家心理冷え込み

税制は特に個人投資家比率が高い日本市場において影響が大きい。

 

  1. 政権交代がもたらす市場インパクト

政権が変わると「期待」「政策の方向性」が変わるため、テーマ株が動きます。

 

■ 日本の典型例

  • アベノミクス(第二次安倍政権)
    → 円安、株高、金融緩和期待で日経平均が急騰
  • 規制強化を掲げる政権
    → 不動産・金融・通信などが売られやすい
  • デジタル推進を掲げる政権
    → DX関連がテーマ化

政権交代そのものよりも、政策の方向性の明確さが市場を動かすポイント。

 

  1. 地政学リスク(戦争・国際関係・外交)

 

■ 戦争・紛争

  • リスクオフ → 株安・円高になりやすい
  • 原油価格上昇 → エネルギー関連株は上昇

 

■ 米中関係(日本市場に最重要)

  • 半導体・輸出企業の命運を左右
  • 規制強化 → 製造装置・素材が急落
  • 補助金・国策化 → 逆に追い風(日本メーカーに受注)

 

■ 為替変動(政治が引き起こす外部リスク)

  • 政治・外交次第では円高ショック/円安メリットが発生
  • 自動車、電子部品、機械など輸出企業は影響大

 

  1. 規制(強化・緩和)が作る「テーマ株」

政治が作る最大の投資テーマは規制変更です。

 

■ 規制緩和 → 新産業・新成長テーマ

  • カジノ(IR)
  • ドローン
  • 自動運転
  • 再エネ
  • 医療DX
  • デジタル庁関連
    規制緩和は株価テーマ化しやすく、短期資金が入りやすい。

 

■ 規制強化 → 既存セクターに逆風

  • 金融規制強化 → 銀行・証券
  • 個人情報関連規制 → SaaS・通信
  • 医療費抑制 → 医薬品

 

  1. 選挙(国政選挙・大統領選など)

選挙は「政策変更の入口」であり、市場の最大イベント。

 

■ 米大統領選

  • 共和党:減税・規制緩和 → 株式市場は好感
  • 民主党:IT大手への規制強化 → GAFAに逆風
    日本市場も影響を強く受ける。

 

■ 日本の総選挙

  • 株価対策として「日経平均にプラスの政策」が出やすい
  • 公共投資・補助金・賃上げ関連がテーマ化

 

  1. 政治と株式市場の関係を読むポイント

投資家としては以下の視点が重要です。

①「政策の方向性」=中長期テーマ

例:脱炭素・少子化対策・再エネ・半導体

②「業界ごとの勝ち組・負け組」を見分ける

例:規制強化 → 資金力のある大企業がシェア拡大
例:補助金 → 設備投資する企業が有利

③「イベント前後」でボラティリティを狙う

  • 選挙前 → 不透明で株安
  • 選挙後 → 明確化してリスクオン

 

④「地政学ショック」は買い場になりやすい

  • 過剰反応で下げた優良株を拾う戦略

 

  1. 政治は“短期の恐怖”と“長期のテーマ”の両方を生む

政治の影響は以下の2つに分けて理解すると投資戦略が立てやすいです。

✔ 短期要因(ニュース・選挙・外交)

→ 株価の急落・乱高下につながる
→ トレードチャンス

✔ 長期要因(政策・規制・国策)

→ 3〜5年単位で業界構造が変化
→ テーマ株・国策銘柄として上昇トレンドを形成

政治は単なる不確実性ではなく、「次の勝ち組を生む装置」と捉えることが重要です。

 

代表的な政策関連テーマ

🔵 1. 半導体・経済安全保障(国策最強テーマ)

🔵 2. 防衛・安全保障(増額路線が確定)

🔵 3. 円安長期構造 × 輸出産業支援(政府の賃上げ政策とも連動)

🔵 4. インフラ投資拡大(公共事業・災害対策・老朽化更新)

🔵 5. インバウンド政策(観光立国×円安)

🔵 6. 少子化対策・子育て支援(予算増加中)

🔵 7. デジタル政府・行政DX(政治的に最も継続しやすいテーマ)

🔵 8. 医療・介護(社会保障政策で需要増が確定)

 

日銀の金融政策(利上げ/正常化)

◆ 想定されるイベント

  • YCC撤廃後の追加利上げ議論
  • 長期金利の誘導目標変更
  • マーケットへの“サプライズ利上げ”

◆ 出やすい相場

  • 円高方向へ一時揺れる
  • グロース株調整、金融株・バリュー株上昇

◆ 投資戦略

✔ 利上げ局面で強いセクター

  1. 銀行(メガ・地銀)
  2. 保険(長期金利上昇がプラス)
  3. 割安バリュー株(資金の逃避先)

✔ 調整後に拾いたいセクター

  • 半導体・電子部品(海外売上比率が高く為替影響大)
  • 内需グロース(PER調整で割安になる)

 

選挙(タイミング次第で波乱)

◆ 想定されるリスク・材料

  • 与党の議席数変動
  • 野党勢力の再編
  • 選挙公約による“新テーマ株”の急騰

◆ 選挙直前の相場傾向

  • 不透明感 → 調整(毎回のパターン)
  • 結果が見えた直後に反発するケースが多い。

◆ 投資戦略

✔ 選挙前

  • 現金比率をやや高めに
  • インフラ/防衛/公共事業を仕込み始める

✔ 選挙後

政策が明確になるため“テーマ株”が動く。

  • 公共投資拡大 → 建設・インフラ関連
  • 少子化対策 → 教育・保育関連
  • デジタル政府継続 → DX関連

 

米国ハイテク規制強化(IT大手への政治圧力)

◆ 背景

  • 大統領選後はどちらの政党でもGAFA規制は強まる方向
  • AI規制・データ監視・独禁法が争点に

◆ 投資戦略(日本株)

✔ マイナス影響を受けやすい

  • 日本の広告テック企業
  • SaaS・クラウド系

✔ 逆に恩恵を受ける

  • 半導体製造装置・素材(サプライチェーンの多様化)
  • データセンター関連
  • AIインフラ構築企業

→ 米国IT規制=日本の“周辺インフラ企業”が相対的に強くなる。

 

 

防衛費の大幅増額(GDP比2%へ)

◆ これは相場の大テーマ(4〜5年続く)

防衛装備品・サイバー・宇宙関連は
継続的に5年スパンで買われるテーマ。

 

 

半導体の国策強化(ラピダス量産開始期)

◆ 経産省の最重要テーマ

  • 半導体設備投資
  • 脱中国サプライチェーン
  • AI向けデータセンター需要

→ 半導体は“政治 × 経済安全保障 × AI”が重なる最強テーマ。

 

地方選挙・景気刺激策

選挙の年は地方向けの公共投資が増えやすい。

◆ 投資戦略

  • インフラ工事(道路・橋梁・災害対策)
  • 建設セクター
  • 防災関連

 

総合戦略まとめ(2026)

【短期(イベント前後)】

  • 選挙前 → 現金比率UP
  • 金融政策発表前 → ボラティリティ上昇
  • 地政学リスク → 優良株の押し目買い

【中期(3〜12ヶ月)】

  • 防衛・半導体・デジタル政府が主要テーマ
  • 利上げ局面:バリュー優位
  • 利下げ局面:グロース復活

【長期(1〜3年)】

  • 半導体(国策)
  • データセンター/AIインフラ
  • 防衛費拡大
  • インフラ更新
  • 少子化対策
2026/1/3