証券口座開設の方法と注意点~初心向け~

証券口座開設の方法と注意点~初心向け~

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

更新日:2025年9月11日

これまで多くの方にセミナーへご参加いただき、投資の有用性についてお伝えしてきましたが

投資をするための口座開設でつまづかれている方が多くいらっしゃったので

このコラムでは口座開設の方法から注意点まで気になる点を解説していきます。

 

1.証券口座とは?銀行口座との違い

証券口座とは、株式や投資信託、債券などの金融商品を売買するために必要な口座のことです。

銀行口座が「お金を預ける・引き出す」ことに特化しているのに対し、証券口座は「資産を運用する」ための入り口となります。

銀行口座では投資信託の一部商品を購入できる場合もありますが、選べる銘柄や投資の幅は非常に限定的です。

また、銀行では株式投資ができません。

一方、証券口座を開設すれば、株式投資・投資信託・ETF・REIT・外国株など幅広い商品を扱うことができます。

また、銀行口座と証券口座は連携させることも可能で、資金を銀行から証券口座に入金して投資を始めるのが一般的です。

つまり「貯めるのが銀行口座」「増やすのが証券口座」と考えるとわかりやすいでしょう。

投資を始める第一歩は、この証券口座を持つことから始まります。

2.窓口で開設する対面口座のメリット・デメリット

証券会社の支店や店舗に出向いて開設する「対面口座」は、担当者が直接対応してくれるのが大きな特徴です。

最大のメリットは、金融商品の説明や投資戦略の相談ができることです。

投資に不慣れな初心者や自分だけで判断するのに不安がある人にとって、専門家のアドバイスを受けながら投資できるのは安心材料となります。

また、最新の市場情報を担当者から得られる点も魅力です。

一方でデメリットは手数料の高さです。

人件費がかかるため、同じ取引でもネット証券と比べて数倍のコストがかかるケースがあります。

長期でコストを抑えて投資したい人には負担となりやすいでしょう。

またデイトレを希望する人には手数料、発注スピードの面で窓口の対面口座は向きません。

さらに、営業トークで自分に合わない商品を勧められるリスクも否定できません。

つまり、対面口座は「相談料込みの投資環境」と考えるべきで、自分の投資スタイルに合うかどうかを冷静に判断する必要があります。

3.ネット証券口座のメリット・デメリット

インターネット証券口座は、PCやスマホから簡単に開設でき、売買や管理もオンラインで完結するのが特徴です。

最大のメリットは手数料の安さで、株式売買のコストは証券会社の窓口取引に比べて大幅に抑えられます。

また、取引画面からリアルタイムで株価やチャートを確認できるため、スピーディーに投資判断を行えます。

特にデイトレードや短期売買を行う投資家にとっては必須の環境といえるでしょう。

一方のデメリットは「すべて自己判断」で進める必要があることです。

相談できる担当者がいないため、投資経験が浅い人は情報収集や学習が欠かせません。

また、システム障害が発生した際に取引できなくなるリスクもあります。

それでも近年は取引ツールや情報提供が充実しており、初心者でも使いやすい仕組みが整っています。

コストを抑えたい人や、自分で情報収集できる人に向いているのがネット証券口座です。

4.証券口座の開設に必要な書類と準備物

証券口座を開設する際には、いくつかの書類と本人確認資料を準備する必要があります。

一般的に必須となるのは、

①本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)

②マイナンバー確認書類(通知カード、マイナンバーカード、住民票)

③銀行口座情報(入出金に使用)

以上のの3点です。

特にマイナンバーは金融商品の取引や税務管理に必須のため、提示が義務付けられています。

また、オンライン証券の場合はスマホで撮影してアップロードできるケースが多く、郵送よりも手続きがスムーズです。

未成年や専業主婦が開設する場合には、追加で保護者の同意書や世帯主情報が求められることもあります。

書類に不備があると審査が遅れるため、事前に証券会社の公式サイトで最新の必要書類を確認しておくことが大切です。

準備を整えておけば、最短で数日以内に取引を開始できます。

5.口座開設の流れ(申込~開設完了まで)

証券口座の開設は、大きく「申込」「審査」「口座開設完了」の3ステップに分かれます。

まず、証券会社の公式サイトや店舗で申込フォームに必要事項を入力します。

氏名・住所・勤務先・投資経験などを記載することになります。

次に本人確認書類とマイナンバー確認書類を提出します。

オンライン証券ではスマホで撮影してアップロード、対面型では窓口で直接提出する方法が一般的です。

その後、証券会社による審査が行われます。

ここで勤務先や収入、投資経験などの情報から投資適格性を判断され、不備がなければ数日で審査完了します。

最後に証券会社から「口座開設完了通知」とログイン情報が郵送またはメールで送られてきます。

これで証券口座が開設され、入金をすればすぐに取引を始められます。

ネット証券であれば最短翌営業日に開設可能な場合もあり、スピード感を重視する人にはオンライン申込がおすすめです。

6.証券口座開設で注意すべきポイント

証券口座の開設では、いくつかの注意点があります。

まず「特定口座」と「一般口座」の選択です。

特定口座(源泉徴収あり)を選んでおけば、証券会社が税金計算や納付を代行してくれるため、確定申告が不要になります。

初心者にはこちらがおすすめです。

次に、複数の証券会社で口座を開設すること自体は可能ですが、最初は1社に絞って操作に慣れるほうが無難です。

また、投資初心者が陥りやすいのが「営業担当者に勧められるままに金融商品を購入する」ことです。

自分の投資目的やリスク許容度を考えずに契約すると後悔する可能性が高いので要注意です。

さらに、ネット証券では「パスワード管理」「フィッシング詐欺対策」などセキュリティ意識も欠かせません。

証券口座は資産の入り口であると同時に守りの要でもあるため、開設時から意識しておくことが重要です。

7.証券会社を選ぶときの比較基準

証券会社選びは、投資のスタートを大きく左右します。

比較の基準となるポイントは大きく3つです。

①「取引手数料」

ネット証券では低コストを強みにしている会社が多く、取引金額に応じて無料枠を設けているところもあります。

②「取扱商品数」

国内株式だけでなく、投資信託、外国株、債券、NISA対応など、自分が将来的に挑戦したい投資商品を扱っているか確認が必要です。

③「取引ツールと情報サービス」

初心者向けに見やすい画面を提供しているか、投資判断に役立つレポートやニュース配信があるかは意外と重要です。

さらに、サポート体制も比較ポイントです。

コールセンターの対応時間やサポートの質を確認しておくと安心です。

証券会社にはそれぞれ強みがあるため、自分の投資スタイルに合うかを基準に選ぶことが成功の第一歩です。

8.証券口座開設後にやるべきこと

証券口座を開設したら、まずは銀行口座から入金して取引の準備を整えましょう。

そのうえで、最初に確認すべきは「取引ツールの使い方」です。

注文方法(成行・指値)や約定の流れ、口座残高の確認方法など、基本操作に慣れることが大切です。

また、いきなり株を購入するのではなく、まずは少額で投資信託や分散投資できる商品から始めるとリスクが抑えられます。

次に「NISA」や「iDeCo」などの税制優遇制度を活用できるか確認しましょう。

これらを利用すれば節税しながら効率的に資産形成が可能です。

さらに、証券口座を長期的に使うためには「セキュリティ設定」も忘れてはいけません。

二段階認証やログイン履歴の確認機能を活用し、不正アクセスを防ぎましょう。

証券口座開設はゴールではなくスタートです。

入金・取引・制度活用・セキュリティ対策を習慣化することで、投資生活を安全かつ効果的に始められます。

 

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2023/5/23