「医療保険って本当に必要なの?」
これはFP相談の中でも、よく意見が分かれ、かつ悩む人が多いテーマです。
SNSやネット記事では
「医療保険はいらない」
「民間保険は無駄」
といった強い言葉も目立ちますが、結論は人によって違うというのが現実です。
本記事では、感情論や極端な主張ではなく、
・医療保険の本来の役割
・公的医療制度との関係
・年代別の考え方
・FPとしての結論
・判断に迷う人への具体的な指針
を整理し、「あなたにとって必要かどうか」を判断できる軸を提供します。
医療保険の役割
医療保険の役割を一言で表すなら、
「医療費そのものを払うため」ではなく「お金の不安を小さくするため」です。
多くの人は
「入院したらお金がかかるから」
という理由で医療保険を考えますが、実はここに誤解があります。
医療費は思ったより高くない
日本では公的医療保険制度により、医療費の自己負担は原則3割です。
さらに高額になった場合は高額療養費制度が適用されます。
つまり、治療費そのものが家計を破壊するケースは限定的です。
それでも医療保険が検討される理由
では、なぜ医療保険が存在するのでしょうか。
理由は主に次の3つです。
・入院中の収入減少への不安
・差額ベッド代・食事代など自己負担部分
・「もしもの時に備えておきたい」という心理的安心
医療保険は、お金の損得よりも「安心」を買う商品だと言えます。
公的制度との関係
医療保険を考える上で公的制度を知らないまま判断するのは危険です。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、
1か月の医療費自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
例えば、年収500万円前後の会社員であれば、
1か月の自己負担上限は約9万円前後に抑えられます。
つまり、
「100万円の手術=100万円自己負担」
ではないのです。
傷病手当金という存在
会社員や公務員の場合、病気やケガで働けなくなった場合でも
最長1年6か月、給与の約2/3が支給されます。
これは医療保険では補えない、非常に強力な公的保障です。
見落とされがちなポイント
一方で、以下は公的制度ではカバーされません。
・差額ベッド代
・入院中の生活費
・自営業者の収入減少
この「隙間」をどう考えるかが、医療保険の必要性を分けます。
年代別の考え方
20〜30代:基本は「貯蓄+制度利用」
若い世代は病気リスクが比較的低く、
医療費よりも収入・貯蓄形成の方が重要な時期です。
この年代で大切なのは、
・公的制度を正しく知る
・貯蓄を優先する
・不必要な医療保険に加入しない
「不安だからとりあえず入る」ではなく、
保険に頼らない健康な体づくりが重要です。
40〜50代:必要性が分かれ始める年代
この年代から、生活習慣病や入院リスクが現実味を帯びます。
・貯蓄が十分ある人 → 医療保険は最小限
・自営業・収入が不安定 → 医療保険の必要性が上がる
・家族を養っている → 精神的安心として有効
「医療保険=不要」と言い切れなくなるのがこの世代です。
60代以降:保険よりもキャッシュフロー重視
高齢期に入ると、
保険料は上がり、保障内容は限定されがちです。
この年代で重要なのは、
・毎月の年金と支出のバランス
・医療費を払える現金の確保
・保険料が生活を圧迫していないか
保険に入ることより、現金を持つことの方が安心につながるケースも多くなります。
FPの結論
FPとしての結論は、非常にシンプルです。
医療保険は「必要か・不要か」ではなく
「医療費の不安を貯蓄でカバーできるか」で判断するもの
・貯蓄が十分 → 医療保険は不要または最低限
・貯蓄が少ない → 医療保険はリスクヘッジとして有効
・制度を理解していない → まず知ることが先
「みんなが入っているから」
「不安だから」
ではなく、数字と生活実態で判断すべきです。
判断に迷う人へ
もしあなたが、
「結局、自分はどうすればいいかわからない」
と感じているなら、次の3つを自問してください。
①1か月で10万円の医療費を現金で払えるか
②病気で数か月働けなくなっても生活できるか
③保険料を払って「安心を買っている」と納得できるか
この問いに
すべてYESなら医療保険は不要、
NOが多ければ医療保険は検討価値ありです。
医療保険は「正解が一つの商品」ではありません。
大切なのはあなたの人生にとって無理のない選択をすることです。
【まとめ】医療保険で後悔しないために
・医療保険は安心を買う商品
・公的制度を知れば判断は冷静になる
・年代・職業・貯蓄で必要性は変わる
・「入る・入らない」より「納得しているか」が重要
あなたにとって最適な答えは、
他人の意見ではなく、あなたの家計の中にあります。
