近年、世界情勢は不安定さを増しています。
ウクライナ情勢、中東の緊張、米中対立、台湾海峡問題など地政学リスクはもはや一部の専門家だけの話ではありません。
こうした環境下で「日本国内だけに資産を集中させていて大丈夫なのか」と不安を感じる投資家も増えています。
そこで注目されているのが地政学リスクに備えるための海外不動産投資です。
本コラムではリスク分散の考え方を整理しつつ、投資先候補として注目されるエリアについても解説します。
地政学リスクとは何か?投資家が直面する現実
地政学リスクとは政治・軍事・外交上の緊張や紛争が経済や市場に与える影響を指します。
具体的には以下のような影響が挙げられます。
・株式市場・為替市場の急変動
・インフレ・資源価格の高騰
・資本規制・送金制限の強化
・特定国・地域への投資制限
特に日本の投資家にとっては、
「円安リスク」「日本経済への集中投資」「アジア地域の安全保障問題」
といった複合的なリスクを無視できません。
なぜ海外不動産が「地政学リスク対策」になるのか
海外不動産投資は単なる利回り追求ではなく、資産防衛・分散戦略としての意味合いが強まっています。
海外不動産が持つ3つの役割
①通貨分散
円資産だけでなく、外貨建て資産を保有することで為替リスクを分散
②地域分散
日本とは異なる経済圏・政治体制に資産を置くことで、国リスクを軽減
③実物資産としての強さ
インフレ局面でも価値が維持されやすい実物資産
特に不動産は「住む」「使う」という実需があるため、金融商品に比べて価格変動が緩やかな傾向があります。
投資先候補① ドバイ|世界の富裕層が集まる都市国家
ドバイ不動産が注目される理由
ドバイ(UAE)は、地政学的に中東という位置にありながら、政治的安定性と国際金融都市としての地位を確立しています。
・所得税・固定資産税が原則なし
・外国人による不動産100%所有が可能
・世界中から人と資本が流入
・国際ハブ空港としての圧倒的利便性
特に近年は、ロシア・欧州・アジアの富裕層マネーが流入し、不動産市場が活況を呈しています。
ドバイ不動産投資のメリット
・表面利回り6〜8%前後の物件も多い
・短期賃貸(Airbnb等)との相性が良い
・インフレ耐性が高い
・法人・富裕層向け高級物件の需要が強い
注意点・リスク
・管理会社・仲介業者の質の見極めが重要
・キャピタルゲイン狙いはタイミングが重要
投資先候補② フィリピン|人口成長と内需拡大が続く国
フィリピンが注目される背景
フィリピンはASEAN諸国の中でも、人口増加・若年層比率の高さが際立っています。
・人口1億人超、平均年齢20代
・英語が公用語
・BPO・IT産業の成長
・海外就労者からの送金が経済を支える
これらの要因から住宅需要が中長期で安定して伸びる国と評価されています。
フィリピン不動産投資のメリット
・首都マニラやセブを中心に高い賃貸需要
・コンドミニアム投資が主流
・比較的少額から投資可能
・希少なホテルコンドミニアムにも投資が可能
注意点・リスク
・開発業者の信用力チェックが必須
・管理・賃貸運営は現地パートナーが重要
ドバイとフィリピンの比較(投資視点)
| 項目 | ドバイ | フィリピン |
|---|---|---|
| 投資目的 | 資産防衛・富裕層向け | 成長市場・賃貸収入 |
| 利回り | 中〜高 | 中 |
| 為替 | 米ドル連動 | フィリピンペソ |
| 投資金額 | 比較的高額 | 比較的少額 |
| 市場成熟度 | 高い | 成長途上 |
地政学リスク時代の海外不動産投資の考え方
重要なのは、「どこが儲かるか」ではなく、
「どこに資産を分散させておくべきか」という視点です。
・国内資産だけに偏らない
・株式・投信だけに依存しない
・実物資産を組み合わせる
海外不動産は、守りと攻めを両立させる中長期戦略として位置づけるべき投資です。
不確実な時代だからこそ、選択肢を持つ
地政学リスクが高まる時代において、
「何もしないこと」自体がリスクになる可能性があります。
ドバイのような国際的に人気な都市、
フィリピンのような成長市場、
それぞれの特性を理解したうえで自身の資産ポートフォリオに組み込む。
海外不動産投資は、未来の不確実性に備えるための「保険」であり「戦略」です。
今こそ、視野を世界に広げて冷静な判断で次の一手を考えてみてはいかがでしょうか。
