家を買うべきか、賃貸のままか。インフレの時代の判断方法【大阪FP】

家を買うべきか、賃貸のままか。インフレの時代の判断方法【大阪FP】

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

「家は買ったほうがいいのか、それとも賃貸のままでいいのか」
これは多くの方が一度は悩むテーマです。特に30代〜40代になると、結婚・出産・子育てといったライフイベントが重なり、「そろそろマイホームを…」と考える方も増えてきます。

一方で、「住宅ローンを背負うのが怖い」「将来の転勤や収入変動が不安」という理由で踏み出せない方も少なくありません。

結論から言うと、この問題に正解はありません。大切なのは、「損か得か」ではなく、自分のライフプランに合っているかどうかです。

自宅の購入でありがちな誤解

このテーマでよくある誤解がいくつかあります。

まず1つ目は、「家賃は払い捨てだからもったいない」という考え方です。

確かに、住宅を購入すれば資産が残るという側面はあります。

しかし、住宅には固定資産税や修繕費、管理費などの維持コストがかかることを見落としがちです。

2つ目は、「持ち家は資産になるから安心」という思い込みです。

立地や築年数によっては、資産価値が大きく下がるケースもあります。

特に人口減少が進むエリアでは、将来売却が難しくなるリスクもあります。

3つ目は、「住宅ローンは組めるだけ組んだほうがいい」という考え方です。

金融機関が貸してくれる金額と、無理なく返済できる金額は全く別物です。

この誤解が、後々の家計破綻につながるケースも少なくありません。

住宅購入の正しい考え方

FPとして最も重要視するのは、「ライフプラン全体で見たときに無理がないか」という視点です。

住宅は単なる「住まい」ではなく、「人生最大の支出の一つ」です。

だからこそ、以下の3つの視点で考えることが重要です。

① 将来の収入と支出のバランス

今の年収だけで判断するのではなく、将来の収入変動(転職・独立・定年)や支出(教育費・老後資金)を含めて考える必要があります。

② ライフスタイルの柔軟性

転勤の可能性がある方や将来、住み替えの可能性が高い方は賃貸のほうが柔軟に動けます。

また、長く同じ場所に住む前提であれば、持ち家のメリットが活きやすくなります。

③ 資産としての価値

購入する物件が「将来売れるか・貸せるか」という視点も重要です。

特に駅近や都市部の物件は流動性が高く、リスクを抑えやすい傾向があります。

具体的な事例

例えば、年収600万円の35歳会社員Aさん(妻・子ども1人)のケースを考えてみましょう。

Aさんは4,000万円の住宅購入を検討し、3,500万円の住宅ローンを組もうとしています。金融機関的には問題なく借入可能なラインですが、ここでFPとして確認するのは以下です。

・教育費(将来1,000万円以上かかる可能性)
・老後資金(2,000万円問題)と介護費用
・万が一の収入減少リスク

これらを加味すると、毎月の返済額が家計を圧迫し、貯蓄や投資に回す余力がなくなる可能性があります。

一方で、同じAさんが家賃10万円の賃貸に住みながら、毎月5万円を積立投資に回した場合、長期的には数千万円規模の資産形成につながる可能性もあります。

つまり、「家を買う=正解」ではなく、「家を買った後もお金が回る状態を作れるか」が重要です。

住宅購入を検討する際に、まずやるべきこと

では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。

まずはライフプランの見える化です。
以下の項目を整理してください。

・現在の収入と支出
・将来のイベント(結婚・出産・教育・老後)
・貯蓄額と投資状況

その上で、「住宅にいくら使えるのか」を逆算します。

ポイントは、「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を基準にすることです。

次に、購入と賃貸の両方でシミュレーションを行います。
・購入した場合の総支出(ローン+維持費)
・賃貸の場合の総支出+投資による資産形成

この比較をすることで、自分に合った選択が見えてきます。

住宅購入に関するまとめ

家を買うか、賃貸にするかは「損得」で判断するものではありません。
大切なのは、「あなたの人生にとって最適かどうか」です。

・ライフプランに合っているか
・家計に無理がないか
・将来の選択肢を狭めないか

これらを冷静に見極めることが、後悔しない選択につながります。

【執筆者プロフィール】

株式会社FAMORE 代表取締役/ファイナンシャルプランナー 武田拓也

資産運用・不動産投資・ライフプラン設計を中心に、これまで数多くの個人・法人の資産形成をサポート。

NISAやiDeCoなどの制度活用から、富裕層向けの分散投資戦略まで幅広い分野に精通している。

実務経験に基づいた「再現性の高い資産運用」を強みとし、初心者にもわかりやすい解説に定評がある。

住宅の購入を3回経験。

近年はセミナー・講演活動やメディア出演、コラム執筆にも力を入れており、大学にてファイナンシャルプランニングの講座を担当。

幻冬舎ゴールドオンラインにてコラム連載中

金融リテラシーの向上を通じて、誰もが安心して資産形成に取り組める社会の実現を目指している。

【著書】

・なぜあの人は「老後のお金」に困らないのか?

・投資でお金が増える基本の仕組み

・「富裕層が実践している投資」はAmazon金融・投資部門(kindle)で1位を獲得。

・ぶたさんちょきんばこのおかいもの(絵本)

【保有資格】

AFP・社会福祉士・高校教諭1種「福祉」・証券外務員2種

【投資経験】

株式投資20年、投資信託17年、債券12年、不動産投資13年、海外投資15年

2026/4/29