最終編集日:2026年1月14日
目次
ToggleNISA・iDeCoを始める前に知っておくべき基本と失敗しない考え方
「おすすめの投資信託はどれですか?」
これは、NISAやiDeCoの個別相談で最も多く聞かれる質問です。
しかし、投資信託に「万人にとっての正解」はありません。
なぜなら、投資をする目的・期間・人生設計によって選ぶべき商品は大きく変わるからです。
これは【服選び】や【靴選び】と同じです。
デザインの好みが違えば、サイズも違いますよね。
投資信託も同様で、「他人に合っている=自分に合っている」とは限りません。
まずは自分に合った投資の方向性を知ることが、失敗しない第一歩です。
投資信託を選ぶ前に考えるべき「3つの投資スタンス」
投資信託は、大きく分けると次の3つの考え方に分類できます。
① 手堅く安心して運用したい人
ローリスク・ローリターン
・元本割れのリスクを極力抑えたい
・大きな値動きが苦手
・iDeCoやNISAで老後資金をコツコツ積み立てたい人向け
👉 債券型ファンドが中心
② しっかり増やす「攻めの投資」をしたい人
ハイリスク・ハイリターン
・資産を積極的に増やしたい
・一時的な下落にも耐えられる
・NISAの成長投資枠を活用したい人向け
👉 株式型ファンドが中心
③ 安定と成長のバランスを重視したい人
ミドルリスク・ミドルリターン
・大きなリスクは避けたいが、預金以上は増やしたい
・投資初心者~中級者に最も多いタイプ
👉 バランス型ファンドが中心
まずは
①~③のどれが自分の性格・目的に近いか
を考えてみてください。
ここが決まらないまま商品を選ぶと、後悔につながりやすくなります。
投資信託の「説明書」目論見書は必ず確認する
投資信託を選ぶ際、次に重要なのが
目論見書(もくろみしょ)の確認です。
目論見書とは、投資信託の
・投資対象
・リスク
・手数料
・運用方針
などが書かれた投資信託の説明書です。
正直に言うと、
投資初心者にとっては「かなり読みにくい」です。
家電製品の説明書を最初から最後までじっくり読む人は少ないですよね。
しかし、投資信託の説明書を読まずに始めるのは危険です。
後から
「思っていたより値動きが激しかった」
「こんな手数料がかかるとは知らなかった」
というケースは非常に多いです。
最低限、次のポイントだけは確認しましょう。
・何に投資しているのか
・どのくらい値動きがあるのか
・年間の手数料はいくらか
初心者向けの定番アドバイスは「正解」だが「万能」ではない
投資初心者向けの本やネット記事では、よく次のように書かれています。
「手数料が低いファンドを選びましょう」
「アクティブファンドよりインデックスファンドがおすすめ」
これは初心者にとっては正解です。
特に、NISAやiDeCoを初めて使う人には、
低コストのインデックスファンドは非常に合理的です。
ただし、投資経験を積み、
・ある程度リスクに慣れてきた
・短期間でも資産を増やしたい
・相場環境に応じて運用したい
という段階になれば、
アクティブファンドを検討する余地も出てきます。
大切なのは、
「今の自分のレベルと目的に合っているかどうか」です。
全世界株式型ファンド(オールカントリー)はなぜ人気なのか
「何を選べばいいか分からない」
「1本で分散投資したい」
そんな人に選ばれているのが、
全世界株式型(オールカントリー)インデックスファンドです。
全世界株式型の特徴
・先進国+新興国に分散投資
・世界中の成長をまとめて取り込める
・手数料が比較的安い
・長期投資と相性が良い
特定の国や地域に偏らないため、
投資初心者でも始めやすい点が魅力です。
先進国株式・新興国株式の違いも理解しておこう
インデックスファンドには、次のような種類もあります。
・先進国株式型
→ アメリカ中心(世界最大の経済大国)
・新興国株式型
→ 中国を中心とした成長国
分散投資の観点では、
経済規模1位のアメリカと2位の中国、
両方に投資しておく考え方も合理的です。
オールカントリーは、この2つをまとめてカバーできるため、
「迷ったら選ばれやすい」ファンドと言えます。
投資信託選びで一番大切なこと
投資信託選びで最も大切なのは、
商品名ではなく「自分に合っているかどうか」です。
・投資の目的
・投資期間
・リスク許容度
・人生設計
これらを整理することで、
自然と選ぶべき投資信託は絞られてきます。
「何を選べばいいか分からない」
「今の選択が正しいか不安」
そう感じた時は、
第三者の視点で整理することが、失敗を防ぐ近道です。
投資信託を始める前の【初心者チェックリスト】
STEP1|投資を始める前の準備チェック(超重要)
☐ 投資の目的が言語化できている
(老後資金/教育資金/将来のゆとり資金 など)
☐ 投資する期間をイメージできている
(10年以上の長期か/5年以内の中期か)
☐ 生活費・緊急資金(目安:生活費6か月分)は確保している
☐ 値下がりした時に「どの程度なら耐えられるか」考えたことがある
☐ 余裕資金で投資することを理解している
STEP2|NISA・iDeCo制度理解チェック
☐ NISAとiDeCoの違いを説明できる
(引き出せる/引き出せない、節税メリットの違い)
☐ NISAは「途中で売却できる」ことを理解している
☐ iDeCoは「原則60歳まで引き出せない」ことを理解している
☐ 税制メリットだけで商品を選んでいない
☐ 自分に合う制度(NISA/iDeCo/併用)を把握している
STEP3|投資信託選びの基本チェック
☐ ローリスク/ミドルリスク/ハイリスクのどれかを選べている
☐ 債券型・株式型・バランス型の違いを理解している
☐ 「おすすめランキング」だけで選んでいない
☐ 自分の年齢・収入・家族構成を考慮している
☐ 1本のファンドですべてを決めようとしていない
STEP4|目論見書チェック(最低限ここだけ)
☐ 投資対象(何に投資しているか)を確認した
☐ リスク(値動きの大きさ)を把握した
☐ 年間の信託報酬(手数料)を確認した
☐ 為替リスクの有無を理解している
☐ 「なんとなく安心そう」で判断していない
STEP5|インデックス・アクティブ理解チェック
☐ インデックスファンドの特徴を理解している
☐ アクティブファンドの特徴を理解している
☐ 「初心者=インデックス一択」と思い込んでいない
☐ 投資経験や目的によって選択肢が変わると理解している
☐ 将来的に見直す前提で選んでいる
STEP6|全世界株式(オールカントリー)検討チェック
☐ 世界分散投資の意味を理解している
☐ アメリカ・新興国の両方に投資していることを知っている
☐ 手数料の水準を確認した
☐ 長期投資向きの商品であることを理解している
STEP7|始めた後の行動チェック(失敗防止)
☐ 毎日の値動きを過度に気にしないと決めている
☐ 短期の下落で売らないと決めている
☐ 定期的に運用状況を見直す予定がある
☐ ライフイベント時に見直す意識がある
☐ 困ったら一人で抱え込まないと決めている
チェックが不安な方へ
☑ チェックが5つ以上「不安」
☑ 自分に合っているか確信が持てない
☑ NISA・iDeCoを始めたいが一歩踏み出せない
このような方は、
「商品選び」ではなく「整理」から始めることで、
投資の失敗リスクを大きく下げることができます。
🔍 FP視点のひと言
投資信託は「良い商品」を探すより、
「自分に合わない商品を避ける」ことの方が重要です。
投資初心者のよくある失敗事例【FP相談で実際に多いケース】
失敗事例①「おすすめされたから」という理由だけで始めてしまった
【30代・会社員】
同僚やSNSで
「この投資信託が一番いい」
「とりあえずオールカントリーでOK」
と言われ、そのままNISAをスタート。
しかし、実際は
・値動きが思った以上に大きい
・下落時に不安で眠れない
・続ける自信がなくなった
結果、数か月で売却してしまい、
「投資は自分には向いていない」と感じてしまった。
👉 失敗の原因
・投資目的・リスク許容度を考えていなかった
・他人の正解を自分に当てはめてしまった
失敗事例②値下がりが怖くなり、一番悪いタイミングで売却
【40代・共働き世帯】
NISAで株式型投資信託を積立開始。
相場が好調なうちは問題なかったが、
急な下落局面で評価額がマイナスに。
「これ以上減ったらどうしよう…」という不安から、
底値付近で売却。
その後、相場は回復。
「売らなければ戻っていた」と後悔することに。
👉 失敗の原因
・投資期間を意識せず始めていた
・下落時の行動を事前に決めていなかった
失敗事例③税制メリットだけでiDeCoを始めて後悔
【30代・自営業】
「節税になるから」という理由だけでiDeCoを開始。
数年後、
・事業資金が必要
・住宅購入の頭金が必要
という状況に。
しかしiDeCoは原則60歳まで引き出せないため、
資金を使えず大きなストレスに。
👉 失敗の原因
・資金拘束のデメリットを理解していなかった
・ライフイベントを考慮していなかった
失敗事例④手数料の安さだけで選び、内容を理解していなかった
【20代・新社会人】
「信託報酬が安い=良い商品」と思い込み、
目論見書をほとんど読まずに投資信託を購入。
後になって
・為替リスクが大きい
・特定の国に集中投資していた
・想像以上に値動きが激しい
ことを知り、不安が増大。
👉 失敗の原因
・コストだけを見て判断した
・投資対象を理解していなかった
失敗事例⑤「インデックス一択」と思い込み、目的とズレた運用に
【50代・会社員】
「初心者はインデックスが正解」という情報を信じ、
iDeCo・NISAともにインデックスファンドのみで運用。
しかし、
・定年までの期間が短い
・想定より増えない
ことに途中で不安を感じるように。
👉 失敗の原因
・年齢・運用期間を考慮していなかった
・自分のゴールから逆算していなかった
【まとめ】失敗する人の共通点
投資初心者の失敗には、共通点があります。
・商品選びから始めてしまう
・自分の目的・期間を整理していない
・下落時の行動を決めていない
・制度のデメリットを軽視している
つまり、
「知識不足」より「準備不足」が失敗を招いています。
失敗を防ぐために一番大切なこと
投資で大切なのは、
「当たりの商品を探すこと」ではありません。
✔ 自分の人生に合っているか
✔ 続けられるか
✔ 不安なく向き合えるか
この3点を整理するだけで、
投資の失敗リスクは大きく下がります。
