投資を始めようと考えたとき、多くの初心者が最初につまずくのが「商品選び」です。
実は、投資で大きな失敗をしてしまう人の多くは、最初の商品選択でつまずいています。
本コラムでは、投資初心者が最初に選んではいけない商品と、その理由、そして本当に向いている選択肢についてFP視点で解説します。
初心者ほど危険な商品を選びがちな理由
投資初心者ほど、「簡単に儲かりそう」「今話題になっている」「周囲がやっている」といった理由で商品を選びがちです。
これは知識不足というより、人間心理の問題です。
特に初心者は
・短期間で結果を出したい
・損をしたくない
・難しい仕組みは理解したくない
という気持ちが強くなります。
その結果、仕組みを十分に理解しないまま商品を購入するという行動につながります。
また、SNSや動画、広告では「成功体験」ばかりが強調され、失敗例が語られにくい点も問題です。
リスクの説明が不十分なまま、「誰でも簡単」「放置でOK」といった言葉を信じてしまうことで、結果的に危険な商品を選んでしまいます。
最初に避けるべき商品例
投資初心者が最初に避けるべき代表的な商品には、以下のようなものがあります。
・値動きが極端に激しい商品
・仕組みが複雑で理解が難しい商品
・レバレッジ(てこの原理)を使う商品
・流動性が低く、換金しづらい商品
・手数料やコスト構造が不透明な商品
具体的には、FXや暗号資産の短期売買、ブルベアなどレバレッジ型商品、仕組みが複雑なデリバティブ商品などが該当します。これらは経験者にとっては戦略的に使える場合もありますが、初心者にはリスクが過大になりやすい商品です。
なぜそれが危険なのか
これらの商品が危険とされる最大の理由は、「損失コントロールが難しい」点にあります。
値動きが大きい商品は、利益が出る可能性もある一方で、短期間で大きな損失を被る可能性も高くなります。
特にレバレッジをかける商品は、想定以上の損失が出ることも珍しくありません。
また、仕組みを理解しないまま投資をすると、「なぜ損をしたのか」が分からず改善もできません。結果として、
・感情的な売買
・損失を取り戻そうとする無理な取引
・投資そのものへの不信感
につながり、投資をやめてしまうケースも多く見られます。
初心者に向いている選択肢
投資初心者に向いているのは、シンプルで長期運用が前提の商品です。
具体的には、
・分散投資ができ、手数料の低いインデックス型の投資信託
・価格変動リスクのほとんどない債券
・値動きが比較的穏やかな資産クラス
などが挙げられます。
これらの商品の最大のメリットは、「理解しやすく、感情に左右されにくい」点です。
例えば毎月一定額を積み立てる積立投資であれば価格変動リスクを分散でき、相場を読む必要もありません。
初心者にとって重要なのは、「儲けること」よりも「市場に居続けること」です。
長く続けられる仕組みを選ぶことが結果的に資産形成の成功につながります。
FPが投資初心者の相談で必ず伝えること
FPとして投資初心者から相談を受ける際、必ず伝えているのは次の3点です。
1つ目は、「分からない商品には投資しないこと」。
2つ目は、「最初はリターンよりリスクを重視すること」。
3つ目は、「投資は生活の延長線上にあるものだという認識」。
投資は一発逆転の手段ではありません。
生活を圧迫しない範囲で、無理なく続けることが何より重要です。
最初に危険な商品を選んでしまうと、その後の投資人生そのものに悪影響を与えてしまいます。
正しい知識と順序を守れば、投資は初心者にとっても心強い味方になります。
まずはリスクの高い商品を「選ばない勇気」を持つことが成功への第一歩です。
