生涯年収で人生は決まる?学生が社会に出る前に知っておきたいお金の現実

生涯年収で人生は決まる?学生が社会に出る前に知っておきたいお金の現実

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

「あなたが稼ぐ生涯年収はいくらくらいになると思いますか?」

この質問に、明確に答えられる学生はほとんどいないでしょう。
それも無理はありません。社会に出る前は、毎月の給料も、税金や社会保険料の負担も、老後のお金も、なかなか実感が湧かないからです。

しかし実は、生涯年収という視点を持つかどうかで、人生の選択肢は大きく変わります。
本記事では、「生涯年収で人生は決まるのか?」という疑問に答えながら、社会に出る前に知っておきたいお金の現実を、わかりやすく解説します。


生涯年収とは何か?

生涯年収とは、一生のうちに得られる収入の合計額のことです。
一般的には、22歳で就職し、60〜65歳まで働いた場合の給与・賞与の総額を指します。

よく言われる平均的な目安は約2億円程度です。

ただし、これはあくまで「平均の目安」です。
実際には、職業・業界・働き方・キャリア選択によって、1億円以上の差が生まれることも珍しくありません。


生涯年収の差はどこで生まれるのか?

① 最初の就職先と業界選択

生涯年収に最も大きな影響を与えるのが「どの業界・会社に入るか」です。

・年功序列・安定型(公務員、大企業)

・成果報酬・実力主義型(IT、金融、営業)

・低賃金が構造化されている業界

最初の年収差は小さく見えても、昇給率・賞与・転職市場価値の違いが積み重なって20年後には大きな差になります。

②企業規模による違い

同じ業界でも、企業規模によって生涯年収は変わります。

・大企業:給与水準が高く、福利厚生が充実

・中小企業:昇進スピードは早いが、給与上限は低め

・ベンチャー企業:成果次第で大きく伸びるが不安定

「安定か、成長か」という選択は、生涯年収の形を左右する重要な分岐点です。

③ 働き方の違い(会社員・自営業・複業)

同じ能力でも、働き方によって生涯年収は大きく変わります。

会社員として働く場合

会社員は、毎月安定した収入が得られる反面、給与テーブルによって収入の上限が見えやすい働き方です。

・メリット:安定性、社会保障

・デメリット:年収の伸びが限定的

長期的に見ると、「どの会社で、どのポジションまで行けるか」が生涯年収を大きく左右します。

自営業・フリーランスという選択

自営業やフリーランスは、収入の上限がなく、実力次第で大きく稼げる可能性があります。

メリット:高収入の可能性、自由度

デメリット:収入の不安定さ、自己管理の必要性

成功すれば生涯年収は会社員を大きく上回りますが、準備不足だと逆に下振れするリスクもあります。

副業・複業が与える影響

近年、生涯年収を押し上げる要因として注目されているのが副業・複業です。

・収入源を分散できる

・本業以外のスキルが身につく

・将来の独立準備になる

本業の給与が大きく変わらなくても、副業収入が積み重なることで、生涯年収に数千万円単位の差が生まれることもあります。

「安定=正解」「不安定=危険」と単純に判断せず、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。

④ 転職・スキルアップの有無

生涯年収が伸びる人の多くは、共通して次の行動を取っています。

・市場価値を意識してスキルを磨く

・必要であれば環境を変える(転職)

・学びへの投資を惜しまない

一方で、「なんとなく今の会社にいる」状態が続くと、気づかないうちに生涯年収が平均を下回ることがあります。


生涯年収で人生は決まるのか?

結論から言えば、生涯年収だけで人生が決まるわけではありません。
しかし、次のことは断言できます。

生涯年収を知らずに人生を選ぶと、お金で選択肢が制限される。

お金が影響する人生の選択

・結婚・出産のタイミング

・住む場所・住宅購入

・子どもの教育

・老後の安心感

これらはすべて、収入と無関係ではありません。
「やりたいけど、できない」という後悔の多くは、お金の準備不足から生まれます。


社会に出る前に知っておきたいお金の現実

手取りは額面よりずっと少ない

月収20万円でも、実際に使える手取りは16〜17万円程度。
税金や社会保険料は社会人になって初めて重くのしかかります。

収入は自動的には増えない

「年数が経てば給料は上がる」という時代は終わりつつあります。
意識的に動かなければ生涯年収は簡単に下振れします。


生涯年収を「コントロールする」という考え方

大切なのは、「生涯年収はいくらになるか」を当てることではありません。
どうすれば生涯年収を高められるかを考えることです。

学生のうちからできること

・お金の仕組みを学ぶ

・複数のキャリアパターンを知る

・投資、副業など収入以外の選択肢を知る

・「会社=人生」にならない意識を持つ

これらは将来の自由度を大きく高めます。


【まとめ】生涯年収は「人生の設計図」の一部

生涯年収は人生を縛る数字ではありません。
人生を主体的に計画するための「道具」です。

①生涯年収を知る → 現実を知る

②現実を知る → 選択肢が増える

③選択肢が増える → 後悔が減る

社会に出る前の今だからこそ、
「生涯年収」という視点を持ち、自分の人生とお金について考えてみてください。

それは、未来の自分への最高の投資になります。

2026/2/9