「自宅を売却して老人ホームや介護施設へ入居する」これは人生でも大きな決断です。
一度売ってしまうと買い戻すことは難しいため、「後悔しないための事前チェック」は必須です。
このコラムでは、専門家の視点から 「自宅を売却する前に必ず確認すべき10項目」 をわかりやすくまとめます。
自宅を売却する前に確認すべき10のポイント
① 今後の生活設計と資金シミュレーション
自宅売却の検討前に、まずは次の点を具体的に試算する必要があります。
・老人ホームの前払金・月額費用
・介護が必要になった場合の追加費用
・年金・貯蓄で何年維持できるか
・想定外の医療費やリハビリ費用
「入居後に要介護となり費用が跳ね上がる」ケースは非常に多いため、将来の介護費用を必ず組み込むことが重要です。
②「自立型」か「介護型」か、施設の種類による費用構造の違い
老人ホームには大きく2種類があります。
自立型:自由な生活が可能だが、介護費用は利用した分を別途で負担
介護型:手厚い介護が受けられるが、介護サービスの利用限度額上限を負担
入居時は元気でも、しばらくして要介護になることは珍しくありません。
将来の自分の姿を想定して施設を選ぶことが不可欠です。
③ 前払金の「返還ルール」の確認
前払金が数千万円になる施設も少なくありませんが、以下を必ず確認してください。
・解約時の返還金額
・返還対象期間(償却期間)
・転居時の扱い
「途中退去しても返還がほぼない」という施設もあります。
後で「高額を払ったから動けない」と後悔しないように注意しましょう。
④ 「住み替えの選択肢」が確保できるか
介護度が上がった時、以下のような移行が可能かを事前に確認してください。
・同じ法人内の介護型施設へ移れるか
・近隣の提携施設はあるか
・転居時の費用負担はどうなるか
移動先がないと、介護必要時に費用が倍増するリスクがあります。
⑤ 自宅売却のタイミングが適切か
高齢者施設への入居と自宅売却を同時に行うと、判断を急ぎすぎる傾向があります。
・一旦「賃貸に出す」
・空き家のまま様子を見る
こうした選択肢も検討し、売却の最終判断を急がないことが大切です。
⑥ 売却後の税金・手数料の把握
自宅を売ると、次の負担が発生する可能性があります。
・譲渡所得税
・仲介手数料
・引っ越し費用
・残置物撤去費
「思ったより手元に資金が残らない」ことはよくあります。
税務面も必ず確認してください。
⑦ 家族・相続人の理解と同意
自宅売却は相続に大きく影響します。
・家族に残す資産はどうするか
・自宅の売却により将来的なトラブルにつながらないか
・売却後の生活を家族は支えられるか
後々の揉め事を避けるために、家族全員で情報共有しておきましょう。
⑧ 「住み慣れた環境を失う影響」を冷静に見つめる
心理的なダメージは実は非常に大きいポイントです。
・近所付き合い
・生活動線
・自宅での思い出
老人ホームは便利な一方で、喪失感が心に影響する人は多いのが現実です。
⑨ 「介護が必要になったとき」の生活イメージ
自立型老人ホームに入っても、介護が必要になれば…
・追加の介護費用で負担増
・設備を十分に使えない
・思い描いた生活が崩れる
「今の自分」ではなく、未来の自分の姿を想像して判断する必要があります。
⑩ 売らずに済む選択肢の検討
自宅を売却せずとも以下の選択肢があります。
・リバースモーゲージ
・家族との同居
・一部リフォームして自宅介護
・デイサービスや訪問介護の併用
「売却」しかないと思い込み、後で後悔するケースは非常に多いです。
【まとめ】一度売った家は戻らない。だからこそ慎重に
自宅売却は「お金の問題」だけでなく、
生活の自由度・心理的安定・将来の住まい方に深く影響します。
だからこそ、以下の3つを必ず確認してください。
- 資金シミュレーション
- 施設と介護の将来像
- 家族・専門家との相談
