こんにちは。
女性の経済的自立を応援するファイナンシャルプランナー山原です。
こちらはジューシーでさわやかな甘さとほろ苦さが魅力の和製グレープフルーツとも呼ばれる『土佐文旦』です。
2月から4月頃が旬なので毎食後、剥いては食べ剥いては食べ幸せな時間を過ごしています。剥いた皮に並べてから食べるのがマイブームです(笑)
一昔前は近所で見かけることがなく入手困難でしたが、ここ数年「ふるさと納税」の返礼品として高知県の自治体さまよりお送りいただいております。
ところで、みなさんは「ふるさと納税」したことありますか?
どのみち納めないといけない税金を「ふるさと納税」にするだけで、この美味しい土佐文旦が実質2000円で山盛り食べられるなんて魔法のような制度ですよね。
本日は、
「ふるさと納税に興味はあるけど、まだやったことがない」
「ふるさと納税を利用したいけど、やり方がわからない」
という方へ、ふるさと納税の基本をお伝えしたいと思います。
ふるさと納税とは
ふるさと納税は「納税」といいつつ正確には「税金」ではなく、自分の選んだ地方自治体(都道府県や市区町村)へ「寄付」をすることです。
なぜ「納税」とネーミングされているかというと、本来は自分が住んでいる自治体に納めるはずの税金を自分の選んだ自治体へ寄付することで、寄付額のうち2,000円を越える部分についてそれぞれ計算された額が所得税や住民税から控除されるからです。
さらに、(私のいただいている文旦もそうですが)実質2,000円の負担で寄付している自治体よりご当地の特産品などをお礼としていただける嬉しい特典がついている場合があるのです。
このお得感が好評でふるさと納税を利用している人は年々増加しており、2022年の控除適用者は全国で約740万人に達し、寄付額も2013年の146億円から9,654億円となり10年で60倍以上に増えています。
2023年10月に一部の自治体による返礼品の過熱化を是正するため経費の範囲や地場産基準が厳格化され「制度の改悪だ!」と不満の声もありましたが、メディアなどのアンケートではふるさと納税を一度でも利用したことがある人からは「今後も寄付を続けたい」との回答が多かったようです。
しかし、実数での利用率をみてみると実はふるさと納税を「一度もやったことがない人」の方が圧倒的に多いんですね。
その理由のひとつに「手続きが面倒くさそう」というものがありました。
実はかんたん!ふるさと納税5つのステップ
確かに「税金、申告、控除」といかにも面倒くさそうな単語が並んでいます。
でも、例えば10万円を納税する場合に納付先を変えるだけで最大で3万円相当の返礼品がいただけるなら、多少の手間がかかったとしてもやってみる価値があるのではないでしょうか。
そして、実際やってみるとその手軽さに(もっと早く始めればよかった)と思われること間違いなしです。
※551蓬莱のCMを思い浮かべながらご覧ください
どれくらい簡単なのか、ふるさと納税の流れを5つのステップでご説明します。
ステップ1 寄付の上限金額を確認する
まずは寄付の上限金額を確認しましょう。
ふるさと納税で控除される金額は、総所得金額や家族構成などによって上限が決まります。
そのため同じ年収でも人によって上限額が違いますし、その年々のあなたの状況によっても変動していきます。
上限額を超えて寄付すると自己負担が増えてしまうので、2,000円のみで効率的にふるさと納税を行うためには、ご自身の控除上限額の目安を参考にして寄付金額を決めることが大切です。
便利なふるさと納税ポータルサイトでシミュレーションしてみましょう。
※ふるさと納税はあくまでも納付すべき税金が控除される制度のため、所得税・住民税が発生しない方が寄付をすると単に「寄付しただけ」となりますのでその点はご注意ください。
さとふる ▶
ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表
ふるさとチョイス ▶
楽天ふるさと納税 ▶
ステップ2 寄付する先を決める
上限額がわかったら、寄付する自治体を決めていきます。
寄付先は出身地や住んでいる場所に関わらず、「地域」「使い道」「返礼品」などにより自由に選べます。応援したい街、お世話になった人が住んでいる場所、楽しい思い出のある地域など、思い入れのある自治体を絞ってからその中でいただきたいものを探すのもおすすめです。
私はふるさと納税を利用して10年ほどになりますが、母方の「ふるさと」である高知県の自治体に寄付するとちょっとした恩返しをしているような気持ちになれて満足感がアップしました。
返礼品は食品だけでなくトイレットペーパーのような日用品、ゴルフやシュノーケリングといったレジャー、その土地へ旅行した際に使えるクーポンなど、選択肢はどんどん広がっていますので選んでいるだけでワクワクしますよ。
なお、寄付できる自治体の数に上限はありませんが「できるだけ面倒なことはしたくない!」という方は寄付先を5つまでにしておくと確定申告不要の「ワンストップ特例」(←後述します)が使えて便利です。
ステップ3 寄付を申込み入金する
寄付先が決まったら寄付の申込みと入金をします。
自治体によって申込方法や寄付金の支払方法が異なります。ワンストップ特例制度を利用する場合は、ふるさと納税を行う際に申請書の提出が必要です。
一部の自治体ではマイナンバーカードの利用によりオンラインでの申請が可能になる場合もあります。詳細はふるさと納税したい自治体まで問合せてみましょう。
寄付先の自治体と電話や郵送など何度もやり取りをするのが面倒だと感じる方は、ふるさと納税ポータルサイト(ステップ1で上限シミュレーションができるとご案内した「さとふる」「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」など)を利用するとよいかもしれません。
クレジットカード決済可能な自治体が多く、日頃のネットショッピングのような感覚でここまでのステップを簡単に完了できます。
余談ですが、先日『ネット通販大手のAmazon 来春にもふるさと納税に参入』との報道がありました。
現時点でも「ふるさと納税ポータルサイト」で支払いにAmazon Payが使えたり、キャッシュバックでAmazonギフト券がもらえたりしますが、Amazonから直接ふるさと納税をすることはできませんでした。
「外資系企業を国税サービスの分野に参入させるのはいかがなものか」という声がある一方で、
「自治体にとってはアマゾンの集客力や独自の配送網は魅力」
「競争で仲介手数料が安くなると返礼品が豪華になるのでは」
「寄付する側の選択肢や利便性が増すから賛成」
などネットには肯定的な声も上がっています。
ステップ4 返礼品と寄付金受領証明書が届く
ふるさと納税の申し込みをしたら、いよいよ自治体から返礼品が届きます。
品物はすぐに届くものもあれば、数ヵ月かかることもあります。
ネットショッピング感覚で簡単できるとはいえ、あくまで寄付のお礼だということを忘れてはいけません。特に海産物や農産物は天候などで生産量が変わるため「〇月〇日必着で!」というわけにはいきませんよね。
また、ふるさと納税をした自治体からの「寄附金受領証明書」も届きます。この書類は寄付したことを証明するもので確定申告する場合に必要です。返礼品に同梱されている場合もあれば、後日別便の封書で届くことがありますので大切に保管しておきましょう。
一部のふるさと納税ポータルサイトでは2023年分から「寄付金受領証明書」の代わりに「寄付金控除に関する証明書」が発行され、その1枚で寄付金控除の適用が受けられるようになりました。
「とにかく面倒なことはひとつでも少なくしたい!」
という方にはおすすめのサービスですね。
ステップ5 寄付金控除の手続きをする
最後のステップです。
これを忘れてしまうとふるさと納税の恩恵を受けられませんので必ずおこなってください。
ふるさと納税の手続き方法には「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2種類があります。
ワンストップ特例制度とは、確定申告をせずに控除が受けられる特別な制度のことで利用するには以下の条件があります。
■ 確定申告不要の給与所得者であること
■ 年間の寄付先が5自治体以内であること
年間の区切りは1月1日~12月31日で、寄付の回数ではなく自治体の数でカウントします。
たとえば、同じ自治体に5回以上の寄付をしてもカウントは1なので、年間の寄付先が5つ以内に収まっていればワンストップ特例制度が利用できます。
ただし、複数回申し込んだ自治体には、同一自治体であってもその都度「申告特例申請書」を提出する必要があります。
以下のような方はワンストップ特例制度が使えません。
■ 6カ所以上の自治体に寄付した人
■ フリーランス、自営業者
■ もともと確定申告が必要な人
-
- 住宅ローン控除を受ける初年度の人
- 医療費控除などを受ける人
- 年収2,000万円以上の人
- 副収入の所得が20万円を超える人など
ワンストップ特例制度とは
ワンストップ特例制度についてもう少し詳しく説明しましょう。
ワンストップ特例制度は確定申告を行わなくても寄付金控除を受けられる便利な仕組みです。
手続きも簡単で、ふるさと納税をした自治体に「申告特例申請書」とマイナンバーカードなどの本人確認書類を送れば終了です。
申請書が返礼品に同梱されていない場合は自治体に連絡するか、法務局やポータルサイトなどからPDFファイルをダウンロードすることもできます。
ステップ3にも書いたとおり、一部の自治体においてマイナンバーカードを利用したワンストップ特例のオンライン申請が可能となっていますので詳細は各自治体へ確認してみましょう。
ワンストップ特例の注意点
ワンストップ特例の手続きはとても簡単ですが、いくつか注意点があります。
■ 提出期限
寄付の翌年1月10日までに自治体へ書類を提出してください。
期限を過ぎてしまった場合は3月15日までに確定申告をすることで控除を受けることができます。
■ 住民税からのみ控除される
ワンストップ特例を利用すると所得税からは控除されず寄付を行った翌年の6月から翌々年の5月まで支払う住民税の減額という形で控除されます。
きちんと適用されているかチェックしたい方は翌年届く「住民税決定通知書」で確認しましょう。
■ 会社の年末調整では控除できない
時々「ふるさと納税分を会社で年末調整してもらえますか?」とご質問いただきますが年末調整でふるさと納税の控除を受けることはできません。
ふるさと納税は12月31日までの寄附金総額で控除額を決定するので年末調整時点では確定していないためです。
確定申告する予定のない会社員の方は、ワンストップ特例を利用しましょう。
■ 確定申告するとワンストップ特例は無効になる
そして、もっとも注意すべきは確定申告するとワンストップ特例が「無効になる」という事です。
たとえば、5つの自治体にワンストップ特例制度を申請した後で、控除上限額までにまだ余裕があるということで6つ目の自治体にふるさと納税したとします。
「ワンストップ特例が使えるは5つの自治体までだから、6つ目の自治体分は確定申告しよう!」
と思ってしまいがちですよね。
しかし、確定申告をするとその情報が優先されるため5か所のワンストップ特例申請が無効になってしまいます。
このような場合は、ワンストップ特例申請した5つの自治体分もあわせて6つの自治体すべてを確定申告することで解決できます。
なお、その際に各自治体が発行する「寄附金受領証明書」が必要になりますので手元になければご自身で取り寄せることになります。
さいごに
ここまで「ふるさと納税の基本」をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
ふるさと納税のは寄付を通じて自分の好きな地域に貢献しつつ、お礼の品で家計の節約ができたり、税金控除の恩恵が受けられるとても魅力的な制度です。
「これならできそう!」「やってみようかな」
と思われた方はぜひ「ステップ1」から始めてみてください。
この他にも、簡単にできる節約や節税につながる様々な工夫や方法があります。
家計全般について「一度プロに相談してみたい!」
そう思われた方は、FAMOREホームページのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡くださいね。