日々の生活費や老後の年金など自分たちのことも不安ですが、将来の子どもたちの生活も不安だという声をよく聞きます。
子供に金融教育が必要な理由はいくつかありますが、このコラムでは早くから子供たちに知っておいてもらいたいお金の基礎知識について以下にまとめました。
子どもにどのようなことを伝えれば良いのか参考にしてください。
【子供が金融教育を受けることのメリット】
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お金の価値や仕組みを理解できるようになる
子供は自然と「お金はあるもの」「欲しいものがあれば買ってもらえるもの」と思いがちですが、
金融教育を通じて「お金は働いて得るもの」「使えば減るもの」という基本的な仕組みを理解できるようになる必要があります。そのためには自分でお金を管理することを学ぶことが大切です。
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正しいお金の使い方が身につく
早いうちから「欲しいもの」と「必要なもの」の違い、予算の立て方、貯金の大切さを学ぶことで
無駄遣いや衝動買いを防ぐ習慣が身につきます。
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将来の借金リスクを減らせる
クレジットカードやローンなど、大人になってから避けられない金融サービスの仕組みを理解することで
安易な借金や多重債務のリスクを避ける力になります。
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経済社会を理解し、社会性が育つ
金融リテラシーは、税金、社会保障、物価など、社会全体の動きとも深く関わっています。
子供のうちから経済や社会について考える視点が育ちます。
そうすれば無駄な保険に加入することを回避でき、NISAやiDeCoにおいて時代に合った適切な商品を選択することができます。
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「自分で考える力」「判断力」を育てる
お金の使い方には常に選択が伴います。
「今使うべきか」「貯めるべきか」「投資するべきか」など、自分で考え、判断する訓練にもなります。
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家庭内コミュニケーションが活性化する
子供と一緒に家計のことを話したり、目標を立てたりすることで親子の会話が増え、信頼関係も深まります。
金融教育について子供向けに楽しく、自然に金融教育ができる方法を年齢に合わせて紹介します。
幼児〜小学校低学年(3〜8歳)向け金融教育
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お小遣い制を始める
・少額のお小遣いを定期的に渡し、「使う・貯める・あげる(寄付)」の3つに分ける習慣を身につける。
・たとえば、3つの貯金箱を用意してお金の使い道を一緒に考えるのもよいでしょう。
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買い物ごっこやリアル買い物体験
・おもちゃのお金で「ごっこ遊び」をすることで金銭感覚を身につける入り口になります。
慣れてきたら実際の店舗で会計をしてみましょう。
・実際のスーパーで「このお菓子とジュース、どっちが高い?」など一緒に考えることも買い物上手になるには有効です。
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絵本やアニメで学ぶ
・お金の仕組みを扱った子供向けの絵本や番組で自然と学ぶのもよいでしょう。
たとえば「こどもチャレンジ」「ドラえもんの社会科シリーズ」など。
小学校中学年〜高学年(9〜12歳)向け金融教育
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お手伝い報酬制を取り入れる
・家のお手伝いに応じて「労働と報酬」の関係を体験してもらう。
「食器洗いで10円」「お風呂掃除で20円」など金額は小さくても問題ありません。
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目標貯金チャレンジ
・欲しいものがあるときに「○○円貯めよう」と目標を立てて計画し、見守りながら目標を達成できるようにサポートしましょう。成功体験を積むことで自信がつき、お金を無駄遣いしないようになります。
途中で進捗の見える化(表やアプリ)するのもおすすめです。
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簡単な家計簿・収支ノートをつける
・自分のお金の出入りを記録することで、計画性と振り返りの習慣が身につきます。
中学生以降(13歳〜)向け金融教育
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投資や経済ニュースに触れる
・株や為替などを説明し、模擬投資ゲームやアプリでシミュレーション体験(実際にお金は使わず)などを通じて興味を持たせる。
・YouTubeなどで「中高生向けの経済チャンネル」も多数あるので活用しましょう。
お金の専門家に家庭教師として指導してもらうことも有益です。
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クレジットカードと借金の仕組みを学ぶ
・「いま買って、後で払う」クレジットカードは便利な仕組みですが、リスクもあることを理解しておく必要があります。
親子で一緒に勉強しておきましょう。
【どの年齢にも共通する金融教育のポイント】
・無理に教え込まない!日常会話にさりげなく学びを入れる。
・「なぜ?」を一緒に考える。答えを教えるのではなく、自分で気づけるようにサポートしましょう。
・親が楽しんでいる姿を見せることも大切です(家計管理・貯金・節約・投資など)
大人になってからでも金融について学ぶことはできますが、できるだけ早くから金融にふれることで「お金」に対する抵抗感が軽減され、お金と上手く付き合うことができます。
「もっと早くに学んでおくべきだった」と親子で後悔しないよう取り組んでいきましょう。