株式投資は「スタートラインの考え方」で差がつく【初心者向け】大阪FP

株式投資は「スタートラインの考え方」で差がつく【初心者向け】大阪FP

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

株式投資は誰でも始められる一方で、始め方を間違えると大きな損失を出してしまうリスクもあります。

特に投資初心者にとって大切なのは「儲ける」ことよりも「損をしない」ことです。
そのためには感情に流されず、正しい知識と戦略を持つことが不可欠です。

このコラムでは、投資初心者が気をつけるべき基本のポイントを整理して解説します。

 

①「短期で儲けたい」は危険信号

多くの初心者がやりがちな失敗は「すぐに利益を得よう」とすることです。
株価は日々上下しますが、短期的な値動きに振り回されると冷静な判断ができません。
特にSNSやニュースで「この銘柄が急騰中!」という情報に踊らされると高値掴みをしてしまうことも。

株式投資の本質は「企業の成長に伴う株価上昇」を長期的に享受することです。
焦らずに「3年〜5年は勉強期間」と考えることが成功への第一歩です。

②「よく知らない会社」に投資しない

「なんとなく有名だから」「株価が安いから」といった理由で銘柄を選ぶのは危険です。
初心者ほど自分が理解できる企業に投資することが重要です。

例えば、普段よく使うサービス(食品、通信、家電など)の企業であれば業績のイメージも湧きやすいはずです。
ウォーレン・バフェットも「理解できないビジネスには投資しない」と語っています。

③「分散投資」でリスクを減らす

1つの銘柄や業種に偏った投資は値下がり時のダメージが大きくなります。
株式投資では「卵を1つのカゴに盛るな」という格言の通り分散投資が基本戦略です。

具体的には、

・5〜10銘柄程度に分散する

・業種(IT・不動産・医薬品など)を分ける

・日本株だけでなく、外国株やETFも検討する

といった工夫で、リスクをコントロールできます。

④「ナンピン買い」は慎重に

株価が下がったときに、さらに買い増して平均取得単価を下げる「ナンピン買い」があります。
プロが戦略的に行うなら有効ですが、初心者が安易に行うと損失が拡大する危険があります。

下落の原因が「一時的な要因」なのか「企業の業績悪化」なのかを見極めることが大切です。
冷静な分析ができないうちは、ナンピンは避けましょう。

⑤「投資資金の上限」を決めておく

株式投資は元本保証がありません。
生活費や教育資金、老後資金などすぐに「使う予定があるお金」を投資に回すのは厳禁です。

理想的なのは、余剰資金の範囲(生活費の3〜6か月分を除いたお金)で始めることです。
精神的にも余裕が生まれ、冷静な投資判断ができるようになります。

⑥「感情に流されない」メンタルコントロール

株価の上昇で「もっと上がる」と欲を出し、下落すると「もうだめだ」と投げ売りする。
こうした感情の動きこそが初心者投資家の最大の敵です。

ルールを決めて投資(例:損切りラインを−10%に設定)することで、感情を排除しやすくなります。
また、定期的にポートフォリオを見直すことでリスクバランスを整えることも大切です。

⑦「情報の取捨選択力」を磨く

ネットやSNSには無数の投資情報があふれていますが、真偽不明の情報も多く存在します。
投資初心者は、まず一次情報(企業のIR資料、有価証券報告書)に目を通す習慣をつけましょう。

また、複数の情報源を比較して根拠のあるデータに基づいて判断することが重要です。

最近では会員制やサブスクで情報を得るサービスもありますが、あくまでも「参考」にする程度に留めておきましょう。

投資に「絶対」はありません。

⑧「長期・積立・分散」が王道

投資初心者が最も実践しやすいのは、長期・積立・分散の3原則を守ることです。
例えば、ネット証券を活用して、投資信託のように毎月一定額を積み立てることが可能となっています。
時間分散により、購入単価を平均化できるのでリスクを抑えながら資産形成を目指せます。

⑨「学びながら継続する」姿勢を持つ

株式投資は一度勉強したら終わりではありません。
経済環境や政策、為替動向など、投資を取り巻く環境は常に変化します。
継続的に学び、ニュースや企業決算を追うことで知識が「実践力」へと変わります。

【まとめ】焦らず、ルールを守ることが成功の近道

投資初心者が気をつけるべきことは「焦らず・欲張らず・冷静に」です。
株式投資は「マラソン」のようなものであり、一時的な上下で一喜一憂するものではありません。

最初の一歩を慎重に踏み出し、時間を味方につけて堅実な資産形成を目指しましょう。

2025/11/15