お金持ちが最終的に不動産投資をする理由とは?【大阪FP】

お金持ちが最終的に不動産投資をする理由とは?【大阪FP】

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

「なぜお金持ちは最終的に不動産に行き着くのか?」

この問いは資産形成を志す多くの人が一度は抱く疑問でしょう。

株式投資、ヘッジファンド、暗号資産、エンジェル投資投資など資産を増やす手段は数多く存在します。

それでもなお、多くの富裕層が「不動産投資」に行き着くのには明確な理由があります。

このコラムでは投資のプロや資産家たちが不動産を選ぶ本質的な理由を6つの視点から掘り下げていきます。


1. 「現物資産」であることが安心感をもたらす

お金持ちは資産を「増やす」フェーズから「守る」フェーズにシフトします。
株や投資信託などの金融資産は数字の世界に存在する「ペーパーアセット」であり、市場の混乱やインフレ局面では価値が大きく変動します。

一方で不動産は「実物資産(リアルアセット)」です。

地震や災害で建物が損壊しても土地の価値はゼロにはなりません。

歴史を見ても、戦争や金融危機の中で最終的に価値を保ち続けたのは「土地(建物)」でした。

富裕層はこの「実体のある安心感」を重視します。

特に現在の日本のようにインフレ傾向が強まる局面では、現金を持つよりもリアルアセット(現物資産)を持つ方が「価値の目減り」を防げるという考え方が強まっています。


2. 「レバレッジ」を効かせやすい資産クラス

富裕層が不動産投資を好む大きな理由の一つが「銀行融資が使える」点です。
たとえば1億円の不動産を購入する際に自己資金を2,000万円、残り8,000万円をローンで調達できれば、「5倍のレバレッジ」をかけられる計算になります。

株式投資でも信用取引は可能ですが短期的でリスクが高く、富裕層が好む長期戦略には向きません。
不動産であれば安定した賃料収入が見込めるため、金融機関も積極的に融資を行います。

つまり、不動産投資は「資産を守りながら増やす」長期のレバレッジ投資なのです。


3. 「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」を両立できる

不動産の最大の魅力は2つのリターンを同時に得られることです。

・インカムゲイン:家賃収入という安定したキャッシュフロー

・キャピタルゲイン:不動産価格の上昇による売却益


さらに賃貸住宅ニーズが高い都市部では長期にわたり安定した家賃収入が見込めるため、資産ポートフォリオの「安定装置」として機能します。

富裕層の投資家は日々の生活費や事業資金をこの賃料収入でまかない、キャピタルゲインは次の投資に回すことで「資産が資産を生む仕組み」を確立しています。


4. 税制メリットと「相続対策」の強力な武器

富裕層が不動産を持つもう一つの理由は「税金対策」です。
不動産は減価償却と経費を活用することで帳簿上の所得を圧縮できます。

そのため所得税や法人税を抑えることが可能です。

また相続時にも大きな効果を発揮します。
現金1億円を相続する場合、そのまま1億円が課税対象となりますが、不動産として保有している場合には評価額は実勢価格の7割以下(場合によっては5割程度)に下がることが多く、相続税を圧縮できるのです。

さらに法人を活用すれば所得の分散・経費計上・家族への資産移転など、より戦略的な節税も可能になります。
富裕層はこの「税の最適化」こそが資産を守る鍵であることを熟知しています。


5. 「時間が味方する」投資である

株やFXはタイミングを間違えると短期間で資産が減ります。
しかし、不動産投資は「時間を味方につける」投資です。

たとえ一時的に価格が下がっても、家賃収入が安定していればキャッシュフローは維持されます。
さらに長期的にはインフレや都市開発によって地価が上昇する傾向があり「待てば増える」という性質を持ちます。

特に都心部や人口流入が続くエリアでは築年数が経過しても土地価値が支えになるためリスクは限定的です。
お金持ちは「短期の値動き」ではなく「長期の成長」を見据えているため、不動産の時間的優位性に魅力を感じます。


6. 「社会的信用」と「次世代への継承」ができる資産

不動産を持つことは単なる投資以上の意味を持ちます。
それは「社会的信用」と「継承可能な資産」を手に入れることでもあります。

事業家や投資家にとって「不動産オーナー」であることは金融機関や取引先からの信頼を高めます。
また、建物や土地は世代を超えて引き継ぐことができるため「家族への資産継承」に最適な形です。

現金は使えば減りますが、不動産は管理をしっかりしていれば家賃収入を得つ続けられます。
富裕層はこの「継承の設計」まで見据えて資産を組み立てているのです。


【最後に】「資産の終着点」が不動産である理由

結論から言えば、お金持ちが不動産投資を選ぶのは「守りながら増やせる資産」だからです。

・安定した現物資産である

・銀行融資を活用できる

・インカム+キャピタルの二重リターン

・節税、相続対策に有効

・長期でリスクを抑えられる

資産形成の初期段階ではリスクの高い株や投資信託でリターンを狙いますが
最終的にはリスクの低い不動産で「守りのポートフォリオ」を構築します。

これが世界中の富裕層がたどる「資産運用の王道」です。

あなたがもし今、資産を築き始めている段階であっても不動産投資の基本を学び、長期戦略に組み込むことは決して早すぎることではありません。
お金持ちが最後に不動産を選ぶ理由は「時間と信用を味方につける堅実な資産運用の手段」だからです。

2025/11/14