生命保険はいらないって本当?必要それとも不要?【大阪FP】

生命保険はいらないって本当?必要それとも不要?【大阪FP】

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

保険がいらないと言われる理由

近年「生命保険は必要ない」と言われることが増えています。

その主な理由は3つです。
1つ目は、公的保障が充実しているためです。

日本には遺族年金や高額療養費制度など、もしものときに家計を支えてくれる仕組みがすでにあります。
2つ目は、過剰加入の問題です。

特に日本では「保険は入るのが当たり前」という意識が根強く、必要以上の保障に高い保険料を払ってしまうケースが多く見られます。
3つ目は、資産形成との相性です。

貯蓄性保険は手数料が高く、長期で見ると投資のほうが効率的という指摘もあり、「保険=お金が増える」は誤解とされています。

「安心」のために加入しているつもりでも、実は家計を圧迫していることも珍しくありません。

 

生命保険が本当に不要な人

以下に当てはまる場合、生命保険は不要もしくは最小限で済む可能性が高いです。

・独身で扶養家族がいない

・十分な貯蓄がある(生活費2〜3年分以上)

・公的保障だけで生活困窮の心配がない

・住宅ローンに団信(団体信用生命保険)が付いている

・親や配偶者などに家計の依存がない

 

つまり、「自分が亡くなって困る人がいない」「お金の備えができている」人は、生命保険の優先度が低くなります。

 

生命保険が必要な人の特徴

逆に、以下のような人には生命保険が大いに役立ちます。

・小さな子どもや扶養家族がいる

・配偶者の収入が少ない、または家計依存されている

・住宅ローンがある(団信なしの場合)

・職業柄ケガや病気のリスクが高い

・貯蓄が不十分で、急な出費に弱い

 

特に「遺された家族の生活費」を守るのが生命保険の本来の役割です。

必要な人には、しっかりとした保障が家計の安定をもたらします。

 

保険に関するFPの判断基準

ファイナンシャルプランナーは、以下の観点から必要保障額を算定します。

・遺族の生活費(いつまで必要か)

・教育費(子どもの進路に応じた試算)

・住宅費(団信の有無)

・公的保障の金額

・貯蓄、資産の状況

 

これらを踏まえたうえで、「不足分だけを生命保険で補う」ことが最適解です。
闇雲に保障を増やす必要はなく、数字に基づく判断が欠かせません。

 

保険に迷ったときの考え方

生命保険は「不安を減らすため」ではなく「必要な経済的リスクに備えるため」に加入するものです。
迷ったら、次の順番で考えましょう。

  • 自分が亡くなったら、誰が困る?
  • いくら必要になる?(不足額を算出)
  • 公的保障と貯蓄でカバーできる?
  • カバーできない額のみ、保険で備える

 

また、加入後も見直しは必須です。
ライフステージ(結婚・出産・住宅購入)ごとに必要保障額は大きく変動します。

また家族構成によっても「必要な保障額・優先すべき保険」はまったく異なります。
以下に FPが実際の相談で使う基準 を踏まえて整理しました。

 

家族構成別おすすめ保障モデル

※あくまで一般的なモデルです。収入や公的保障の受給額によって調整が必要です。

 

① 独身(扶養家族なし)

【生命保険は基本的に不要】
必要なのは「自分が生きている限りのリスクのみ」

 

必要な保障

種類 補足
医療保険(最低限) 入院時の自己負担に備える
就業不能保険(任意) 長期の収入途絶リスクに備える

 

ポイント

・貯蓄があれば医療保険も不要な場合あり

・死亡保障は葬儀費用を貯蓄でカバー可
貯蓄が十分なら保険は最小限

② 夫婦のみ(共働き・子なし)

【配偶者が自立できるなら死亡保障は少なめ】

 

必要保障

種類 補足
死亡保険(少額) 配偶者の当面の生活費程度
医療保険 病気・けが時の負担軽減
就業不能保険 収入依存度が高い側は重要

 

ポイント

・片働きの場合は死亡保障を増額

・保険より資産形成を優先してOK

 

③ 夫婦+子ども(最も保障が必要な時期)

【しっかりした保障が必要】

 

必要保障

種類 補足
生命保険(収入保障保険) 教育費+遺族の生活費を確保(大黒柱に重点)
医療保険 入院・手術に備える
就業不能保険 大黒柱の必須保障
学資保険 or 教育資金貯蓄 目的別に積立て

 

目安保障額

・子が未就学:3,000万円〜5,000万円

・子が中高生:2,000万円前後
→ 公的「遺族年金」を差し引いた不足分を補うのが合理的

 

④ 片親+子ども

【最も死亡保障の優先度が高いケース】

 

必要保障

種類 補足
死亡保険(手厚く) 子どもの成人までの生活費と教育費
医療保険 出費増に備える
就業不能保険 収入が止まると立ち行かない
教育資金の積立 将来の学費を確実に

 

ポイント

・保険料が負担になりやすい→ 定期保険が最適

 

⑤ 子ども独立後の夫婦

【保障より生活防衛と資産保全が優先】

 

必要保障

種類 補足
死亡保険は縮小 葬儀費用+相続対策目的
医療保険 入院増加に備えて継続
介護保険(必要に応じて) 将来の介護リスクに先回り

 

ポイント

・高額な貯蓄性保険は見直し対象

・老後資産の減らない仕組み作りへ移行

 

⑥ 60代〜高齢期(単身 or 夫婦)

【保険より手元の資金を重視】

 

必要保障

種類 補足
医療・介護保障中心 老後の生活保障に直結
相続対策型保険(場合により) 財産整理のための活用

 

ポイント

・終身医療・介護の備えを確認

・年金収入と預貯金のバランスが最重要

 

【まとめ】保険に入る前のチェック

・自分が亡くなったら「誰が」「いくら」「困るのか」

・公的保障を含めた不足額を計算

・備える手段は保険だけでなく「貯蓄」「資産形成」

 

結論

生命保険は「いらない人」も「必要な人」もいます。
大切なのは他人の意見ではなく、自分の生活と未来に基づいた保険選びです。

必要な人に、必要な分だけ
これが最も合理的な保険の考え方です。

2026/1/4