投資にリスクはつきものです。
たとえば価格変動リスクは、安定していた株価が何らかの事情で大幅に値下がりしてしまうリスクですが、一方で価格が下がることで安く買えるという側面もあります。
また、金融緩和など株価にとって良い情報が流れれば、大幅に値を上げることもあります。
リスクとリターンは表裏一体であり、リスクを知って上手に付き合い、コントロールしていきましょう。
ここでは6つの主なリスクを簡単に解説します。
①価格変動リスク
株式や投資信託・債券など全般に有価証券は価格が変動し、利益や損失になります。元本を割り込む、または購入額を下回る場合は、損失のリスクにつながります。
将来の価格は正確には把握できませんが、購入時点で「10万円で買ったので7万円まで下がったら損切りしよう」など、自分の中で損切りルールを決めておくことで、リスクを限定する、つまりコントロールすることができます。
また、価格変動が起こる要因を知ることでもリスク回避をしやすくなります。
②為替変動リスク
外国為替のレートは常に変動しています。
外貨建ての預金・保険やFXは、為替レートの変動によって円に換算した時の受取額が異なる「為替変動リスク」が生じます。
外貨預金やFXの場合、価格変動リスクと同じように損切りすることでリスクコントロールを行います。
外貨建て保険の場合は、積み立てすることで変動リスクを軽減できます。
また、わざわざ円高の損をする時に外貨から円へ両替せず、円安になるタイミングまで保有することで、損失を回避することは可能です。
投資信託の場合は「為替ヘッジ」機能のある商品がありますので、そちらを選択すればリスクを軽減することができます。
③カントリーリスク
投資対象国・地域において、政治・経済の状況が変化し、証券市場や為替市場に混乱が生じることがあります。
そうした国や地域の株式・債券などに投資している場合、価格が大きく変動する可能性を指しています。
国債や通貨などの場合、発行元の国の政治・経済状態は非常に重要です。時には国が経済危機に陥ることもあり、大きな損失につながる可能性もあります。
特に新興国、いわゆる発展途上国においてリスクが顕著です。
④流動性リスク
投資商品を保有している場合、現金化が可能かどうか、すぐに現金化できるかが重要です。普通預金であれば即日の出金が可能ですが、株や投資信託では1週間ほどの期間が必要です。
投資用の区分ワンルームの不動産については、相場で売却する際には1~2カ月ほどの期間を要するため、現金化する際には余裕を持つことが重要です。
また商品の市場規模が小さい場合、想定外の高値・安値で取引されるケースもあります。
⑤地政学リスク
特定の地域の政治的・軍事的・社会的な緊張により、その地域の他、世界の経済に悪影響を及ぼすケースを言います。
たとえば、戦争やテロ行為、財政破綻といったものが、株価や為替の変動要因へとつながります。
⑥信用リスク
有価証券の発行体である国・企業などが財政難・経営不振などの理由により、債務不履行(デフォルト=利息や元本などをあらかじめ決められた条件で支払うことができなくなること)に陥る可能性を信用リスクで言い表します。
デフォルトが予想される場合には、発行体の有価証券の価格は下落します。財政破綻や倒産となると、投資元本が償還されない可能性もあります。
以上、投資の主なリスクを紹介しましたが、特に初心者の方は「リスク」に左右されることが多くなると思います。
「損切りルールを設定する」「世界情勢が不安定なタイミングでは投資を控える」など、リスクをうまくコントロールすることを心掛けてください。
著:株式会社FAMORE 代表取締役 武田拓也(FP)