少子高齢化で人口が減少している日本では、空き家が年々増加しています。
日本の総住宅数は約6502万戸(2023年10月1日現在)です。
空き家数は900万戸ほどと過去最多となっており、2018年から約51万戸の増加となっています。
空き家率の最も高い都道府県は徳島・和歌山で21%です。これは5軒に1軒が空き家という状況です。
相続した空き家を売却するのか、そのままにしておくのか?
空き家を放置していると、どうなる?
・固定資産税や管理コストがかかる
・老朽化による倒壊リスク
・通行人に被害を与えた場合は損害賠償責任
・近隣トラブル(越境・害獣)の原因
・ゴミの不法投棄⇒異臭
貴重な財産である持ち家を放置しておかずに有効活用しましょう。
空き家の活用方法は、地域や立地条件、建物の状態によってさまざまですが、以下のような選択肢があります:
居住用としての活用
- 賃貸住宅にする
リフォームして貸し出すことで、家賃収入を得ることができます。
シェアハウスやゲストハウスとして活用する。 - 二拠点生活や別荘として使う
都市と田舎での「二拠点生活」が注目されています。
週末用のセカンドハウスとしても利用できます。
事業・地域活性化に活用
- カフェや店舗にする
古民家カフェや雑貨屋さんとして活用。雰囲気がウリになることもあります。
地域コミュニティの拠点にする。 - コワーキングスペースやサテライトオフィス
コロナ以降、リモートワークに需要があり、企業の地方進出にも活用されます。 - 地域交流スペース・イベント会場
地域の人が集まれる場にする。
マルシェ、ワークショップ、勉強会などに活用できる。
その他のユニークな活用
- アートスペース・ギャラリーにする
アーティストに貸し出して制作・展示スペースとして。 - 民泊・宿泊施設(Airbnbなど)
観光地近くなら短期貸しで収益を得る方法も。
要件を満たせば「簡易宿所営業」も可能です。 - 農業体験施設・田舎暮らし体験施設
都市部の人に田舎暮らしを体験してもらう施設として運用することも。
空き家を活用にあたってのポイント
- 空き家バンクの利用(自治体の支援制度あり)
- 補助金や助成金のチェック(リフォーム・活用事業向け)
- 耐震・設備状況の確認(安全に活用するため)
- 固定資産税や維持費の見直しも忘れずに
活用方法がすぐに決められなかったり、老朽化した建物が近隣に迷惑をかけてしまう場合には、とりあえず解体することもあります。
空き家をとりあえず解体して更地にする場合
①固定資産税が上がる可能性あり
更地にすると税額が上がる可能性
②駐車場・自販機
需要があれば駐車場にしたり、自動販売機を設置して収益化する
③貸し農地
更地にした後、家庭菜園にして地域貢献や収益化の可能性を探る
さらに都市部の空き家は、立地の良さや交通アクセスを活かして、いろいろな使い方が可能です。以下に、都市部ならではの空き家活用アイデアを紹介します。
都市部の空き家活用方法
-
賃貸住宅として再生
- ワンルームやシェアハウスとしてリノベーションして貸し出す
- 学生や単身者向けにすると費用対効果が良い
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短期貸し(民泊・マンスリーマンション)
- Airbnbなどに登録して短期宿泊施設に
- ビジネス出張や観光客向けのニーズがある
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店舗や事務所として貸し出し
- カフェ・美容室・雑貨屋・ネイルサロンなど小商い向け店舗にも
- スタートアップやフリーランス向けの小規模オフィスとして
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コワーキングスペースやシェアオフィス
- リモートワークで需要が増加中
- デザイナーやクリエイター向けのアトリエ兼作業場として
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地域コミュニティスペース
- 子ども食堂、地域の集会所、ワークショップスペースに
- 地域住民がつながる場所として補助金対象にもなることも
-
学生や外国人向けの居住施設
- 留学生、技能実習生向けに低家賃で貸し出す
- 大学近くなら学生寮的な活用も可能
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カルチャー発信拠点・ギャラリー
- アート展示、ポップアップショップ、イベントスペースに
- 地域のクリエイター支援にもつながる
活用の前に確認すべきポイント
確認項目 | 内容 |
建築基準法・用途地域 | 商用利用OKかどうか確認 |
耐震・消防基準 | 改修が必要な場合あり |
補助金制度 | 自治体の「空き家活用補助」など要チェック |
周辺環境・ニーズ | 近隣に何が足りないかをリサーチすると◎ |
都市部の空き家は、ちょっとしたリフォームやリノベーションで価値を大きく高められるのが強みです。
一方で田舎にある空き家は、都市部とは違って広い土地・自然・静けさを活かした活用がポイントになります。地域に密着した使い方や、観光・体験型の用途にも向いています。
田舎の空き家活用方法
- 移住者向け住宅
- 「田舎暮らし希望者」や「二拠点生活希望者」向けに貸し出し
- 家賃を抑えた長期貸しで定住者を呼び込む
- 地域の空き家バンクを活用すると入居希望者が見つけやすい
- ゲストハウス・民泊
- 観光地に近ければ、宿泊施設として運用
- 古民家風の建物なら「雰囲気」を活かした民泊に最適
- 海・山・温泉などの自然資源とセットで魅力アップ
- 農業体験・自然体験施設
- 都会の人向けに「農家民泊」「グリーンツーリズム」施設として活用
- 週末農業体験・釣り・山歩き・田植え体験など、企画次第で人気になるかも
- カフェや飲食店
- 古民家カフェ・ピザ窯付きレストランなど、雰囲気の良さを武器に
- 地元の特産品や食材を使った「地産地消」メニューも好まれる
- 営業日は週末限定でも成り立つことも(リスクを抑えられる)
- アトリエ・工房・ギャラリー
- 陶芸・木工・染め物などのクラフト工房として
- 作家・アーティストが滞在しながら制作できる拠点に
- シェアハウス・地域コミュニティハウス
- 若者や移住者向けの「住まい+交流」の場として運営
- 地域おこし協力隊との連携や、地域内でのイベント開催も◎
- DIY・リノベーション体験の場
- 利用者に「自分でリノベOK!」として貸すスタイル
- 修繕を通して愛着が生まれ、定住にもつながりやすい
活用のメリットと注意点
メリット | 注意点 |
土地・建物が広く、家賃・価格が安い | 修繕コストが高くつくことがある |
静かで自然が豊か | 都市部に比べてアクセスが不便 |
地域との関係性が深まりやすい | 地元との付き合いが重要になる |
田舎の空き家は「暮らし」「自然」「体験」がキーワードとなります。
もし物件の場所や建物の状態がわかれば、それに合った具体的な活用方法もご提案できます!
空き家を活用するとき、不動産会社選びはとても重要です!
成功のカギを握るといっても過言ではありません。
以下に、不動産会社を選ぶ際のポイントをわかりやすくまとめました。
不動産会社を選ぶポイント
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空き家活用の実績があるか?
- 空き家を扱った経験が豊富な会社は活用ノウハウがある
- 「空き家再生」「古民家活用」などを強みとしているか要チェック
- 事例(Before→After)などを見せてくれる会社は信頼度高め
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地域に根ざしているか?
- その地域に強い会社は、地元ネットワークやニーズをよく把握している
- 地元自治体とのつながりがあれば、補助金や支援制度も提案してくれる
- 移住希望者の紹介などもあるかも
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得意分野と目的がマッチしているか?
活用目的 | 向いている会社のタイプ |
賃貸住宅 | 賃貸管理・リフォームに強い会社 |
店舗・事業用 | 商業物件に詳しい会社 |
民泊や観光施設 | 民泊・宿泊施設運営の経験がある会社 |
売却したい場合 | 古家付き土地の売却に強い会社 |
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リフォーム・リノベ対応があるか?
- 自社でリフォーム部門がある、もしくは提携業者が信頼できる
- 費用感や工程管理までしっかり説明してくれると安心
- 空き家の状態によっては、再生コストが大きく変わるため重要
-
提案力・親身さ
- 無理に売却を勧めてこない、相談ベースで話を聞いてくれるか?
- 複数の活用パターンを提案してくれる会社が好ましい
- 資金計画や収支見通しの相談に乗ってくれる
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口コミや評判もチェック
- GoogleのクチコミやSNSなどで評価を確認
- 「空き家再生事例」としてメディアに取り上げられている会社
注意したいポイント
- 「とりあえず壊して更地にしよう」とすぐ言う会社は慎重に
- 管理だけして活用提案のない会社は目的に合わない
- 相見積もりを取って比較するのがオススメ
こんな選択肢もあります
- 「空き家活用+地域名」で検索(例:「空き家活用 岡山 不動産」)
- 空き家バンクに登録している地元業者に相談
- NPO法人や自治体の「空き家相談窓口」経由で紹介を受ける
売却する際の選択肢について
①不動産会社に買い取ってもらう(急ぎ)
査定してもらい、すぐに現金化
②不動産会社に仲介を依頼(高く売却)
家として売却、もしくは
建物が古ければ「土地」として売却
③空き家バンクを利用
自治体が運営する「空き家バンク」
で売却先を探す
相続した物件の場合、空き家を活用する前に親族で事前の話し合いをしっかり行いましょう。
売却しても良いのか?売却した時の資金の配分方法はどうするのか?
黙って売却・活用するとトラブルの原因となることもあります。
争族対策のポイント
・遺言書
・エンディングノート
・外野に口出しさせない
・法定相続分にこだわらない
・昔の話を持ち出さない
相続については課税対象となる件数が平成23年には全体の4%程度だったのが令和4年には9.6%と倍増しています。
慌てないためにも事前の準備をしっかりしておきましょう。