円高の時に資産運用で注意すべきことと投資のポイント

円高の時に資産運用で注意すべきことと投資のポイント

著者紹介

代表取締役 武田 拓也

ファイナンシャルプランナー(AFP)/社会福祉士/高校教諭1種「福祉」
代表取締役 武田 拓也

元「高校教員」、現役「専門学校講師」
資産運用歴18年の実力派ファイナンシャルプランナー。
失敗談や成功例を実体験に基づいてお伝えしています。
社会福祉士としてNPO法人の理事や大学校友会の理事長など地域福祉にも取り組み中。
高校や大学、事業団体などで年100回以上の講演を実施。
趣味:人の話を聞くこと、資産運用(株式投資、不動産投資、投資信託、その他)

円高局面では「円の購買力が上がる」=「海外資産を安く買える」チャンスになります。

円安時と逆の戦略を取るのが基本です。

「円高のときに資産運用で注意すべき点」を整理してお伝えします。

 

円高時の注意点(資産運用)

①外貨建て資産の評価損に注意

・既に持っている外貨資産(米国株・外国債券・外貨預金など)は円換算で目減りする。

・特に「為替ヘッジなし」の投資信託やETFは影響を受けやすい。
長期目線で持つか、一部をヘッジ付き商品にシフトする判断が必要。

 

②輸出関連株(日本株)の逆風

・円高になると輸出企業(自動車・電機・機械など)は海外収益が減少しやすく、株価下落要因になる。

・日本株投資では、輸入企業や内需関連株にシフトする方が安全。

 

③海外不動産・外貨建て保険の価値下落

・円高局面では円換算で資産価値が下がるため、短期売却は損になりやすい。

・長期保有で為替の戻りを待つ姿勢が大事。

 

④過度な外貨購入は避ける

・「円高だから買い時!」と一括で外貨に換えると、その後さらに円高が進んだ場合に含み損を抱える。
分散購入(ドルコスト平均法)でリスクをならすのが基本。

 

⑤為替変動の背景をチェック

・円高の原因が「世界経済の不安」や「リスクオフ」なら、海外株式や新興国資産も同時に値下がりしていることが多い。

・単純に「円高=チャンス」とは考えず、背景を見極めることが大切。

 

円高時の基本姿勢

・既存の外貨資産は「短期の損益に一喜一憂しない」

・新規投資は「安く買えるチャンス」と捉え、分散・長期投資で仕込む

・日本株は輸出関連ではなく、内需株・高配当株に注目

 

つまり、円高局面では

「既存の外貨資産における評価損に注意しつつ、将来の円安を見据えて安く外貨資産を仕込む」
というバランスが重要です。

 

円高の時にオススメの投資方法

⑴外貨建て資産の新規購入

・米国株、先進国株(S&P500、NASDAQなど)

・米国債、外国債券

・外貨建て保険や外貨預金
→ 円高で「割安に外貨を仕入れられる」ため、長期保有に向いている。

 

⑵海外不動産投資

・アメリカやドバイ、フィリピンなど外貨が得られる海外不動産を「安く」購入できる。

・将来的に円安に戻った時に為替差益+不動産収益が狙える。

 

⑶外国株ETF・投資信託(為替ヘッジなし)

・円高時に仕込むことで「安く買い→将来の円安で評価益」につながる。

・長期積立(ドルコスト平均法)をしている人は、円高時に追加投資を強化するのも効果的。

 

⑷金(ゴールド)の買い増し

・金はドル建て取引なので、円高の時は「円建て価格が下がる」=安く買えるチャンス。

・将来的なインフレや円安リスクに備えてコツコツ購入するのが有効。

 

⑸海外旅行・留学・海外送金の前倒し

・投資だけでなく、生活や教育関連の支出も「円高の時が有利」。

・子どもの留学資金や移住準備など、外貨への両替は円高局面を活用するのが賢明。

 

円高時の注意点

・円高が「一時的なリスク回避」で起きている場合(世界金融危機など)は、海外資産の株価自体が下がっていることも多い。
株安+円高のダブル割安チャンスだが、短期的には下がる可能性もあるので余裕資金で投資する。

・為替の動きは読みにくいので、投資初心者は円高時に一括投資するよりも「分散購入(ドルコスト平均法)」が安心。

 

円高局面=外貨建て資産や金を「安く仕込む」チャンスです。

慌てずに情報収集を行ない、将来につながる投資をしましょう。

2025/8/16