更新日:2025年8月16日
円安(円の価値が下がっている状況)は、資産運用においてチャンスにもリスクにもなります。
特に投資家にとっては、為替の変動がリターンに大きく影響するので注意が必要です。
整理すると次のポイントが挙げられます。
①円安時は海外資産の「為替リスク」に注意
・円安 → 外貨建て資産の評価額が増える(ドルやユーロで持っている株・債券は円換算でプラス)。
・ただし、円高に戻ると一気に評価損になるため、為替ヘッジを検討するのが賢明。
例:為替ヘッジありのファンド
②円安時は輸入品価格の上昇による生活コスト増
・円安はエネルギーや食料の輸入価格を押し上げ、生活費のインフレ圧力が強まる。
・結果として、可処分所得が減り、投資に回せるお金が減るリスクがある。
そのため 「生活防衛資金」をしっかり確保しておくことが大切。
③円安時は海外旅行・留学・海外送金のコスト増
円安時に海外に資金を出すとコストが高い。
そのため、使う予定がある外貨は、円高のうちに分散購入しておくのが安心。
④円安時の日本株投資のメリット・デメリット
メリット:輸出企業(自動車・電子部品・機械メーカーなど)は収益増加で株価が上がりやすい。
デメリット:輸入企業(食品・小売・航空会社など)はコスト増で利益圧迫。
※投資銘柄をセクターごとに見直すことが必要。
⑤債券・不動産投資への影響
外国債券:円安で評価益が出るが、為替の戻りで逆風に。
不動産:インフレ傾向が続けば不動産価値が相対的に上がるが、金利上昇リスクも意識する必要がある。
⑥円安時の対策
・為替ヘッジあり商品となし商品をバランスよく持つ。
・資産を 円・ドル・現物資産など複数に分散する。
まとめると、円安局面では「短期的な含み益」に気を取られず、為替変動リスクと生活コスト増に目を向けることが重要です。
円安時は資産運用において「恩恵を受けやすい投資先」がはっきりしています。おすすめになりやすい投資先を整理しました。
円安時におすすめの投資先
1、外貨建て資産
・米ドル建て資産(米国株・米国債・米ドルMMF)
→ 円換算での評価額が増える。特に米国株はドル高+企業業績好調の恩恵を受けやすい。
・外貨建て保険・外貨預金
→ 円安時に既に外貨で保有していればプラス。長期なら分散効果も。
※ ただし新規購入は「高値掴み」になりやすいので注意。
2、輸出関連株(日本株)
・自動車メーカー(トヨタ、ホンダなど)
・電機・電子部品(ソニー、キーエンスなど)
・機械メーカー(コマツ、日立建機など)
→ 円安で海外収益が増加するため、業績拡大が期待でき株価上昇につながりやすい。
3、海外ETF・投資信託
・米国株インデックス(S&P500、NASDAQ)
・グローバル株ETF(先進国株、新興国株)
・為替ヘッジなしファンド
→ 為替差益を享受できる。
4、金(ゴールド)
・国際的にドル建てで取引されるため、円安時は円建て価格が上昇。
・「有事の資産」として、インフレ・通貨安の両方のリスクヘッジになる。
5、海外不動産投資
・ドルやユーロなど安定通貨建ての不動産は、円安時に資産価値が上がる。
・長期で外貨収入を得たい人には有効。
円安時の注意点(おすすめ投資とセットで考えるべきこと)
・新規購入は慎重に:すでに円安がかなり進んでいる局面では「高値掴み」リスクあり。
・為替リスクヘッジの活用:全額ではなく、ポートフォリオの一部をヘッジなしで保有するのが現実的。
・生活防衛資金は円で確保:海外資産だけに偏ると、急激な円高反転時に困る。
まとめると、円安時におすすめなのは「外貨建て資産 + 輸出関連株 + 不動産など現物資産」をうまく組み合わせた分散投資です。
これらのことを踏まえると、「輸出企業」の業績は良くなり、国内の「インバウンド」で稼ぐ企業の売上も良くなります。
足元の株式相場はアメリカの高金利とロシアのウクライナ侵攻により軟調ですが、日本株にとっては
これからがチャンスです。
さらに、円安によって日本の資産が割安で手に入れられる状況ですので海外ファンドや外国人投資家によって日本の土地も積極的に買われます。
日本は外国人に土地の所有権を認めており、不動産投資の利回りは4~8%もあります。
海外では外国人に土地の所有権を認めておらず、不動産投資の利回りも2~3%の地域もあります。
そのような場所と比較して日本の不動産は魅力的です。
円安の今、無理に海外に目を向けるのではなく、国内の優良な資産(株式や不動産)を調べて取り組んでいくのも良いでしょう。
著:株式会社FAMORE 代表取締役 武田拓也