株式投資で「株価の底値」を判断するための方法はいくつかありますが、明確な判断は難しく、複数の分析方法を組み合わせるのが一般的です。
以下に主な方法を紹介しますので参考にしてください。
【テクニカル分析】株式投資で底値判断
移動平均線を利用する
短期(5日線や25日線など)と長期(50日線や200日線など)の移動平均線を見て、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ抜ける「ゴールデンクロス」が発生すると底打ちの判断となります。
逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ突き抜けると、下降トレンドへの転換を示唆する「デッドクロス」になります。ここで一旦は利益確定をすると良いでしょう。
移動平均線とは?
株価の一定期間の平均値を線でつないだものです。
株価の動きを滑らかにし、トレンド(上昇傾向や下降傾向)を視覚的に把握するのに使います。
短期的な価格変動に惑わされず、全体の流れをつかむのに便利な指標です。
種類と計算方法
単純移動平均線(SMA: Simple Moving Average)
一定期間の株価の単純な平均値。
例:5日移動平均線 = 過去5日間の終値の平均
加重移動平均線(WMA: Weighted Moving Average)
直近のデータにより大きな重みを付けて計算します。最新の価格に敏感に反応します。
指数平滑移動平均線(EMA: Exponential Moving Average)
過去のデータに比べて直近のデータにさらに強い重みを付け、トレンド転換を早く察知するのに使われます。
株価と移動平均線の位置関係
株価が移動平均線より上にあれば上昇傾向、下にあれば下降傾向と判断することがあります。
また、移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドと見なします。
サポートライン
過去の安値と安値を結んだ価格帯(サポートライン)や節目の価格(500円・1000円など、きりの良い数字)で反発する場合があります
RSI(相対力指数)
過去の価格変動の強さを測定し、相場の買われすぎや売られすぎを示すために使われます。RSIが30以下になると「売られすぎ」と判断し、そろそろ反発すると考えます。
ただし、RSIは「トレンド相場」よりも「レンジ相場(相場が横ばい)」で特に有効なので注意してください。
MACD(移動平均収束拡散法)
短期と長期の移動平均線の差に基づくオシレーター型指標として広く利用されています。MACDラインとシグナルラインとの交差がゼロラインより下(マイナス)で発生した場合は底値の判断とします。
またゼロライン(基準線)をMACDラインが上回ると上昇トレンドの可能性が高いため、買うタイミングになります。
「MACDライン」は短期の指数平滑移動平均線(EMA)と長期のEMAの差で計算されます。
ボリンジャーバンド
過去の値動きから、株価が中心のミドルバンド(単純移動平均線)より下の下限バンド(ローワーバンド)に触れたタイミングで反発する可能性があります。
【ファンダメンタル分析】株式投資で底値判断
企業の財務状況
PBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)が業界平均より低ければ割安と判断します。
業界動向や景気の見通し
業界全体の回復の兆しや市場拡大が確認されれば、底値と見なされることがあります。
【市場心理とトレンド】
出来高の増加
株価が下落局面で出来高が急増し、その後に価格が安定または上昇に転じる場合、底値を示している可能性があります。
ニュースや市場の感情
悪材料が出尽くしたとき、あるいは市場が極端な悲観状態にある場合は反転のタイミングになることがあります。
このようにテクニカル分析やファンダメンタル分析など複数要因を総合的に判断し、
一つの指標に頼らずに判断することで上手くいく確率が上がります。
注意点
底値を正確に見極めることは困難です。
必ずリスク管理を行い、株式投資の経験が浅い間は資金を分散させることを心がけましょう。
市場環境やマクロ経済の変化も考慮する必要があります。
これらの方法を活用して慎重に投資判断を行うことで成功の可能性を高めることができます。
焦らずに、少しずつ取り組んでいきましょう。